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【プロフィール】
専門:頭痛、脳神経外科
1994年 杏林大学医学部 卒業
1994年 愛媛大学医学部脳神経外科入局
1995年 聖光会鷹の子病院脳神経外科医員
2000年 愛媛大学大学院卒業
2000年 新居浜十全病院脳神経外科医員
2003年 済生会今治病院脳神経外科医員
2005年 聖光会鷹の子病院脳神経外科部長
QLife:脳神経外科医から頭痛を専門に診られるようになったとお聞きしています。そうなったきっかけは何ですか。
貞本先生(以下先生):最初は脳神経外科医として、脳腫瘍や脳血管障害など、原因がはっきりした頭痛を主に診ていました。実際の診療では、そういう原因がないのに、学生さん、子育てで多忙なお母さんや、働き盛りの方が頭痛で困っているケースが多く、例えば頭の写真でなにもないから、「肩こりから」「生理痛だから」と終わったり、診断に難渋したりする場面がありました。そのころに東京女子医科大学脳神経センター頭痛外来の清水俊彦先生の講演を聴く機会があり、頭痛そのものが病気である、片頭痛などの1次性頭痛に興味を持ち、頭痛外来を始めたわけです。
QLife:貴院での診療の流れはどのようなものですか。
先生:問診に力を入れています。特に初診時は頭痛の回数、程度、どこが痛いのか、頭痛以外の症状はないかなどを必ずお聞きします。さらに必要に応じて、頭部CTやMRIなどの画像診断、脳波検査や採血検査などを追加します。
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QLife:どういったタイプの患者さんが多いのですか。また、患者さんは痛みをどのように表現しますか。
先生:小さいお子さん、子育て世代のお母さんから、40~50代の働き盛りの方が多いでしょうか。強い頭痛で困り、外来を受診される方では片頭痛が多いのですが、患者さんは「肩こりがひどくなって、頭痛が始まる」とおっしゃる方が多いですね。それから「吐き気がする」「歩くと痛みがひびく」「横になって休みたい」という方も多いです。強い頭痛で、吐き気があり目をつぶり静かに横になりたいというのは片頭痛の特徴です。
QLife:「肩こりがひどくなって」ということは、頭痛は肩こりの影響だと思われているということでしょうか。
先生:そう思われている方が多いです。でもよくお話を聞くと片頭痛であるケースが非常に多いですね。同じような意味で生理痛の影響だと思われている方も多いです。実際には片頭痛の前触れとして強い肩こりが多く、また生理開始日の前後2、3日間に特に強く長続きする頭痛の発作が多いですから。
特に皆さんに注意していただきたいのは、生理痛は本来下腹部の痛みだということです。頭痛に関しては、生理痛だから、肩こりだからとあきらめずに、きちんとした治療を受けていただきたいと思います。
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QLife:なるほど・・・。自己診断は怖いですね。
先生:それから逆に片頭痛や緊張型頭痛と思っていて、脳腫瘍や脳血管障害など脳の病気が隠れていることももちろんあります。強い頭痛が突然出た場合などは特に注意が必要です。そのほか、副鼻腔炎、緑内障や視神経炎など鼻や目の病気や、甲状腺機能異常などが隠れていることもあります。こうしたケースでは耳鼻科、眼科や内科の先生方と連携をとり治療していきます。いずれにしても自己診断で、自力でしのごうと思われるのはよくありません。
QLife:具体的な事例をありがとうございます。診断後の治療の流れについて教えてください。どんなことを心がけていますか。
先生:やはりひどい頭痛で困って受診される方が多いので、なるべく早く頭痛をとることを心がけています。そのため片頭痛や群発頭痛と診断した場合、注射や点滴の治療を外来で行うこともあります。頭痛外来なので診断事例や経験が蓄積されていますから、比較的早い治療が可能です。これも専門外来のメリットです。
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QLife:患者さんの痛みの大きさに配慮して、ということですね。片頭痛や群発頭痛の痛みは本当に辛いですから・・・。
先生:頭痛の発作中は、QOLがかなり低下しますし本当に辛いですから、少しでも早くそこから抜け出せるように治療します。寝込んでしまう例もありますし、日常生活や仕事への影響が大きいですから。
ただ残念なのは、経験していない人にはこの辛さがわからないので、「仮病じゃないか」とか「怠け癖じゃないか」と誤解されることがあることです。働き盛りの方がこう誤解されると、とても辛いですよね。周囲が理解してくれないので、しかたなく我慢してストレスになったりしますから。お子さんのケースでも、頭痛発作が起きて授業を休み、保健室で寝込んでいても、発作が治まるとケロッと元気になるので、誤解されることがあります。頭痛は治療に値するもので「たかが頭痛」ではないんだということを、周りの方も理解していただけると助かります。
QLife:誤解・・・ということでは、薬物乱用性頭痛がありますね。市販の鎮痛薬で症状がいったん収まることで治ったと勘違いして、それを繰り返しているうちに効かなくなって・・・というケース。
先生:薬物乱用性頭痛は20歳代から70歳代まで幅広い年代でみられます。市販薬を含めた頭痛薬を使うのが癖になっているため、とにかく「まず頭痛薬を飲むのを止めましょう」とお話しします。「予防薬をお出ししますから、たばこと同じで(笑)、スパッといきなり止めた方がいいですよ」と。幸い止めると2~3日で症状が軽くなる方が多いですね。そこから元々の頭痛の治療に入ります。
QLife:その後、経過観察に入ると思うのですが、どのようなアドバイスをするのですか。
先生:生活習慣に関することが多いですね。例えば、睡眠など生活のリズムを規則正しくしましょうとか、お子さんでは朝食を抜かないようにしましょうなど。それから食事や栄養の面でアドバイスさせていただくこともあります。脳血管を安定させる作用があるといわれるマグネシウムや、脳血流をよくすると言われるビタミンB2などを含む食品などですね。
QLife:なるほど、生活習慣の改善ですか。緊張型頭痛の方は、特にそういう面が大切と聞きますが、先生はどのようにアドバイスするのですか。
先生:緊張型頭痛は、重い頭を支えている、頭、首、肩とつながる筋肉の緊張で起こるため、「うつむく姿勢を避けましょう」とか「肩を回して筋肉をほぐしましょう」とお話しします。簡単なことですが習慣づけるのは大変ですよね。
特に、筋肉が少ない首が細い女性に多いため、「膝立ちでの腕立て伏せ」をお勧めしています。負担の軽い適度なトレーニングです。
QLife:それだけアドバイスが具体的だと、いかにも実際に役立ちそうです(笑)。最後に頭痛で悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
先生:頭痛に悩む人は、お子さん、学生さんから子育てに頑張ってらっしゃるお母さん、働き盛りの方々に多いので、大げさなようですが、こうした日本を支えていく方々が頭痛で悩むことによる、社会の損失は相当大きいというデータがあります。
ですから少しでも私がお手伝いできればと、心から願っています。
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