2012年4月8日日曜日

Nov 15, 2011:フロンティアコーポ・メディック:So-netブログ


****************************************
1.糖尿病:世界で3億人超 アジアで増加、中国1位に
2.福島在住成人の内部被曝「気にする水準でない」 京大が調査
3.名大、ナノチューブ形状と発がん性の関連解明 
4.左右の脳つなぐ神経の"誘導役"のタンパク質特定 てんかん発作発症解明にも
5.患者の4割が「難解」 診療明細書、活用に課題
6.飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」 食事習慣や歯磨きの見直し必要
7.血管撮影が可能な小型・低被曝のデジタルCアーム装置、GEヘルスケア・ジャパンが発売
8.たん吸引などの実施事業所、加算で評価へ- 厚労省、介護給付費分科会に提案
9.訪問介護の身体介護、20分未満区分を創設- 24時間訪問への移行目指す
10.2交替看護職員の6割に16時間以上の夜勤- 医労連が調査
11.次期改定、中小病院の評価も必要 - 中医協新委員・万代恭嗣氏に聞く◆Vol.1
12.「医師不足問題や後発医薬品」が政策仕分け対象に
13.震災後10日間、「病院は孤立した船だった」
14.頸動脈IMT値を自動測定できるエコーが登場
15.3価不活化インフルワクチンの成人でのefficacyは59%
16.家族性大腸癌家系の人がアスピリン常用で大腸癌罹患が減少
17.心肺蘇生術時の除細動前の中断時間を短くするほど生存率は向上する
18.臓器移植レシピエントのがん発症リスクは2倍以上、最大は非ホジキンリンパ腫の7.5倍
19.胸部X線による肺がん検診、肺がん死亡率低下に効果なし
20.飲み過ぎは乳癌リスク高める
21.ミニ移植5年生存率は35%
22.臓器移植者、発癌リスク2倍
23.C. difficile院内感染、患者の3%
24.学会ダイジェスト:第75回米国リウマチ学会
1) 膝骨関節炎の発症リスクが高いスポーツはサッカー、長距離走、ウエイトリフティング、レスリング
2) 魚油の摂取は変形性膝関節症の症状を改善、長期間では低用量が良好
3) 生物学的製剤の使用で日本人RA患者の死亡リスクが上昇することはない
4) ちょっと少なめに注いだグラスワイン1杯程度の飲酒に、RA発症リスクを軽減する効果
25.Cardiac cells 'heal heart damage'
26.Study links Parkinson's disease to industrial solvent
27.Breast Cancer Chemo Tied to Memory Troubles
28.Warfarin May Need Less Monitoring for Some
29.Drinking Risky for Women With Family History of Breast Cancer: Study
30.Stem Cells Show Promise in Healing Damaged Hearts
31.Low-Income Seniors at Greater Risk for Heart Failure
32.Shot Might One Day Help Lower Cholesterol
33.Experimental Drug for Irregular Heart Rhythm Raises Death Risk: Study
34.プレスリリース
1) Delayed stem cell therapy following heart attack is safe but not effective
2) Wood stove intervention can reduce childhood pneumonia
3) Intensive therapy halves kidney disease in type 1 diabetes
4) NIH-funded twin study finds occupational chemical exposure may be linked to Parkinson's risk
5) バイオトロニックがパクリタキセル放出バルーンPantera Luxの好成績を発表
6) BIOTRONIK Announces Six-Month Coronary Stenting ENERGY Registry Results Presented at TCT 2011
****************************************

1.糖尿病:世界で3億人超 アジアで増加、中国1位に
毎日新聞社2011年11月15日

 現在の世界の糖尿病患者が3億人を突破したことが14日、国際糖尿病連合(IDF、本部・ブリュッセル)の調査でわかった。国別では初めて中国が1位となるなど、アジアでの患者増が目立つ。30年には5億5200万人に達するという。
 推計によると、11年の患者数は3億6600万人。前回(10年時点)の2億8460万人に比べ約30%増え、患者の急増に歯止めがかかっていないことが浮き彫りになった。
 国別では、2位だった中国が9000万人に達し、インドを抜いて1位になった。日本は6位の1070万人で8位より悪化した。30年時点では、中国(1億2970万人)、インド(1億120万人)、米国(2960万人)が上位を占める。日本は人口減が影響し、10位以内に入っていない。
 地域別では、中国や日本を含む西太平洋地区での増加が顕著で、糖尿病の合併症による死者が11年の同地区の総死者数の15%を占めた。

2.福島在住成人の内部被曝「気にする水準でない」 京大が調査
日本経済新聞社2011年11月15日

京都大の研究チームは15日までに、福島県内で販売されている弁当や大気に含まれる放射性セシウムの量から、福島県に住む成人の内部被曝量を推計したと発表した。今回調査対象とした地域に住み続けて同じ食事を取り続けたとしても、年間の放射線量は国の基準を下回るとしている。
 石川裕彦教授や小泉昭夫教授らは、福島第1原発から20~70キロメートルにある12の商店で、弁当や総菜など調理済み食品を1日3食計55日分を購入、含まれるセシウムを調べた。圏内9カ所で大気中の粉じんから吸入するセシウム線量も見積もった。
 1年間同じものを摂取した場合、食事を通じた内部被曝量は平均で年間6.4マイクロ(マイクロは100万分の1)シーベルト、最大でも同83.1マイクロシーベルトだった。呼吸を通じた被曝量は年間76.9マイクロシーベルトとなった。合計しても国の基準値である同1ミリシーベルトを下回った。
 小泉教授は「食事や呼吸を通じた内部被曝はそれほど気にする水準ではない。ただ、屋外では線量が高い地域もあるので、外部被曝の調査が必要」と話している。

3.名大、ナノチューブ形状と発がん性の関連解明 
中日新聞社2011年11月15日

 極小の炭素素材カーボンナノチューブの形状と発がん性との関連を、名古屋大大学院医学系研究科(生体反応病理学)の豊国伸哉教授と大学院生の永井裕崇さんらの研究グループが解明した。チューブが細く硬いと、腹腔などの表面を覆う中皮にある中皮細胞を傷つけてがん化しやすいことが分かり、安全な素材開発へ応用が期待される。研究成果は米科学アカデミー紀要電子版に近く掲載される。
 豊国教授らは今回、直径の異なる5種類の多層カーボンナノチューブを中皮細胞に投与し、電子顕微鏡などで観察した。すると、細いチューブの方が太い方より細胞膜や核に突き刺さりやすいことが分かった。
 一方、アスベスト(石綿)はナノチューブより直径が大きくても中皮細胞に取り込まれ、ナノチューブとは異なるメカニズムで細胞内に入ることが示唆された。
 ただ、最も細いナノチューブは軟らかすぎて絡まり細胞に入らなかった。ラットの腹腔内への投与でも、炎症が起こりにくく発がん性が最も低かった。中皮細胞に入るためには、細いだけでなく直線を保つだけの硬さが必要だと分かった。
 カーボンナノチューブが石綿繊維と同様に中皮腫を引き起こす可能性は2008年に英国の研究グループなどが指摘し、その毒性の克服が課題となっている。
 豊国教授らは「燃料電池やディスプレーなど、ナノチューブの応用や実用化研究が進む中、人と環境に安全な素材を作るための重要な情報を提示できた」と研究の意義を話している。

4.左右の脳つなぐ神経の"誘導役"のタンパク質特定 てんかん発作発症解明にも
産経新聞社2011年11月15日

正常なハエ(左)と「Asap」が働かず神経ができないハエの脳の中心部(大阪バイオサイエンス研究所提供)
 言語や運動の制御などで役割分担しながら働いている左右の脳の架け橋となる神経回路ができる過程で、特定のタンパク質が"誘導役"として働いていることを大阪バイオサイエンス研究所(大阪府吹田市)らの研究チームがショウジョウバエを使って解明し、14日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。研究チームは「左右の脳の情報伝達の異常で起こる症状の解明に役立つことが期待される」としている。
 ショウジョウバエは脳が左右に分かれているなど、神経構造が人間と似ていることから、左右の脳をつなぐ神経回路が形成されるメカニズムを解析。その結果、左右の脳の神経同士が結びつく際に「Asap」というタンパク質が神経を伸ばす方向を誘導していることがわかった。このタンパク質が失われたショウジョウバエでは、左右の脳の神経細胞がうまく結びつかなかった。
 研究チームによると、このタンパク質と同じ働きを持つタンパク質は人間でも特定されており、てんかん発作などとの関連が指摘されているという。同研究所の榎本和生研究部長は「今回の発見が、てんかん発作などの症状の発症解明に役立てば」としている。

5.患者の4割が「難解」 診療明細書、活用に課題
発行義務化から1年半
共同通信社2011年11月15日

病院で受けた治療や検査の内容、処方薬などが記載された「診療明細書」。2010年4月からほぼすべての医療機関に発行が義務付けられたが、厚生労働省がこのほどまとめた全国の実態調査で、明細書を受け取った患者の約4割が「内容が分かりづらい」と考えていることが明らかになった。使われている用語が専門的で、難しいことが主な理由。有効に活用するためには、病院、患者双方の意識改革が求められそうだ。
 ▽ごみ箱行き
 「一応、取っておこうとは思うけど...」。9月中旬、京都民医連中央病院 (京都市)の婦人科を受診した女性(39)は、会計窓口で明細書を受け取ると、複雑な表情を浮かべた。
 この病院では8月、厚労省の調査とは別に、入院、外来の患者約千人に独自のアンケートを実施した。その結果、6割が「一定期間保存している」としたが、「見ても何だか分からない」「枚数が増えるばかり」など否定的な声も目立った。
 厚労省が9月に公表した、全国約1500病院の調査結果では、入院患者の約4割、外来患者の約3割が「内容が分かりにくい」と回答。病院側からも「帰りにコンビニのごみ箱に捨ててしまう患者がいる」など、必要性に疑問を投げ掛ける意見があった。
 ▽説明の仕組みを
 明細書には、医療機関が診療費を健康保険組合に請求する際に必要な項目を記載。点滴の中身や検査項目まで正式名称で明示しており、「医療の透明性につながる」として、患者団体などが発行の義務化を求めてきた。
 だが、医薬品名などに加え「生化学的検査判断料」「検体検査管理加算」など、素人にはまったくなじみのない専門用語も多い。医療現場では「すべての患者に発行するのは紙の無駄。希望する人だけで良いのではないか」との意見も根強い。
 神奈川県保険医協会 は10年3月、「明細書の内容は難解な用語や複雑なルールによる記載で、(病院は)患者への説明を強いられ、窓口が混乱し、待ち時間が長くなる」などとして、発行義務化に反対する陳情書を厚労省に提出した。
 京都民医連中央病院の吉中丈志院長は「医療側には長い間、治療内容を積極的に患者に『知らせる』という習慣がなかった」と指摘。健保などと協力し、明細書の項目を患者に分かりやすく説明するための仕組み作りが必要だと訴える。
 ▽自分のために
 患者の立場で、明細書を積極的に活用しようとする動きも出ている。
 連合 は「明細書をもらって、しっかり保管しよう」と書かれた名刺大のカードを作製し、9月から約700万人の組合員に配布を開始。患者のメリットとして①医薬品の副作用が明らかになった場合、自分が処方されたか確認できる②治療内容を正確に把握し、医師から納得がいく説明を受けることができる③他の医師に意見を求める「セカンドオピニオン」に活用できる―などを挙げる。
 篠原淳子・連合生活福祉局長は「これまで患者は医師から説明を一方的に受けるだけだった。分からないから(明細書を)見ないではなく、専門用語をネットで検索するなどして、自分自身の健康情報として役立ててほしい」と話す。
 カルテ開示などに長年取り組んできた「医療情報の公開・開示を求める市民の会」の勝村久司さんは、医療に関する情報提供がこれまで、もっぱら医師の裁量に委ねられてきたと指摘。明細書発行が義務化された意義について「薬害や医療被害、不正請求などの背景には、医療費の明細さえ分からない不透明さがあった。患者は明細書をきっかけにいろいろな情報を得ることで、本当の意味で医師との信頼関係を築ける」と話している。

6.飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」 食事習慣や歯磨きの見直し必要
産経新聞社2011年11月15日

就寝前に毎晩、黒酢を飲んでいた男性は、前歯の内側がえぐられたように削れていた(中道哲医師提供)
 ジュースやワイン、栄養ドリンク、かんきつ類などに含まれる「酸」によって、歯が溶ける「酸蝕歯」の患者が増えている。成人の6人に1人がかかっているとされる。酸の多い飲食物の摂取の仕方や歯磨きの方法、生活習慣を見直す必要がありそうだ。
癖も要因?
 虫歯は、細菌が作り出す酸で歯が溶ける疾患だが、酸蝕歯は飲食物の酸によって歯が溶けてしまう。歯の表面を覆うエナメル質が溶け、その下にある象牙質が透けて黄色く見えたり、歯の先端がひび割れ、咀嚼機能が低下したりする。冷たいものがしみる知覚過敏の症状が出ることもある。
 酸の強い飲食物を口にすると、口の中は酸性になる。通常は唾液の働きで中性に戻り、唾液に含まれるカルシウムなどで歯のエナメル質を修復(再石灰化)してバランスが保たれている。
 「しかし、ワインなど酸性の飲み物をチビチビと長時間にわたって飲むと、歯が酸にさらされる時間が長くなり、酸蝕歯のリスクが高くなる。食べ方、飲み方が問題になってくる」。大阪府歯科医師会産業歯科保健対策推進室室員を務める中道歯科医院(大阪市平野区)の中道哲医師は警告する。
中道医師が診察した患者の症例を紹介する。
 健康維持のため、毎晩、黒酢を飲んでいた40代の男性は、上の前歯の内側がえぐられたように溶けて薄くなり、酸蝕歯と診断された。黒酢を飲んですぐ寝るという生活習慣の他に、前歯で舌をかむ癖があったことも、歯の摩耗を進行させたという。
 もう一人は、冷たい水を飲むと奥歯がしみる知覚過敏の症状を訴えた60代の男性。奥歯のエナメル質が溶けて黄色い象牙質が露出しており、樹脂を詰める治療を施した。男性は酢の物が大好物で、歯を食いしばる癖があった。
 「飲食物の摂取の仕方が適切でないと、酸によって歯が溶け、さらに歯を食いしばるなどの悪い癖が、歯を摩耗させてしまう」と中道医師は話す。
ゴシゴシこすらず
 酸性やアルカリ性を示す「pH」値は、7を中性として、値が小さくなるほど酸性となり、臨界値の「5.5」を下回るとエナメル質が溶け出すといわれる。東京医科歯科大学の北迫勇一助教の調査によると、市販飲料120種類のうち、コーラ飲料やスポーツドリンク、ワインなどの73%が、歯が溶け出すpH5.5を下回った。現代生活には、酸性の飲み物があふれているといえる。
中道医師はアドバイスする。「酸にさらされたエナメル質は一時的に柔らかくなるので、摩耗を避けるため歯磨きは20~30分後にした方がいい。歯の再石灰化を促すフッ素入りの歯磨き剤で、ゴシゴシこすらずに円を描くようにブラッシングしたり、飲食後に水で口をすすいだりするのもいい。食いしばりなどの悪い癖をやめること」
 一度溶けては、元には戻らない大切な歯。ライフスタイルや食事の習慣そのものを見直し、予防することが何よりも大切だ。
 【飲食物のpH値】
 歯のエナメル質を溶かす飲食物のpH値は次の通り(東京医科歯科大学・北迫勇一助教の調査)。数値が小さいほど酸性度が高くなる。
 ◎コーラ飲料2.▽栄養ドリンク2.▽梅酒2.9▽スポーツ飲料3.5▽赤ワイン3.8▽ビール4.3▽トマトジュース5
 ◎レモン2.1▽グレープフルーツ3.2▽ミカン3.6▽和風ドレッシング4▽しょうゆ4.7

7.血管撮影が可能な小型・低被曝のデジタルCアーム装置、GEヘルスケア・ジャパンが発売
Tech-On 2011年11月15日

今回の新製品と、GE Healthcare, President and CEO, SurgeryのJoe Shrawder氏
OEC 7900 Fluorostarによる撮影画像
 GEヘルスケア・ジャパンは、外科用デジタルCアーム装置の新製品「OEC 7900 Fluorostar」を発売した(リリース)。整形外科手術だけでなく、血管撮影が必要な透析患者向けの手術(シャント手術)などに対応できるようにしたことに加え、従来機種に比べて小型化・低被曝化を実現している。整形外科や透析などを手掛ける専門病院やクリニックに向ける。価格は3300万円(税込み、構成による)で、発売初年度に国内で30台の販売を目指す。
 デジタルCアーム装置は、X線画像診断装置の一種。骨折などを治療する整形外科手術中に、患部のX線透過像をリアルタイムで取得する役割を担う。患部をさまざまな角度から撮像できるようにするために,可動式でC型のアームを備える。
 今回のOEC 7900 Fluorostarは、同社が2009年に発売した最上位機種「OEC 9900 Elite」と、2010年に発売した下位機種「Brivo OEC 850」の中間に位置する、中上位機種。OEC 9900 Eliteは循環器外科や脳外科などでの手術に向ける機種であり、Brivo OEC 850は整形外科用の機種である。「今回の新製品により、外科用デジタルCアーム装置の製品ラインアップが完璧にそろう」(GEヘルスケア・ジャパン)とする。3機種のうち、Brivo OEC 850は2011年1~9月に日本国内で51台を販売しており、「販売地域別でみると日本での売り上げが最も多い」(同社)という。
 OEC 7900 Fluorostarでは、最上位機種並みの高画質を、より少ないX線照射量で実現できるようにしたことが大きな特徴だ。通常の透視・撮影モードに加えてX線の照射量が少ない低線量モードを導入した他、撮影部位の体厚に合わせてX線照射量を選べるようにしている。さらに、Cアームとモニター部を一体化することにより、外形寸法を780mm(幅)×1725mm(高さ)×1634mm(奥行き)と同社従来機比で40%小型化した。

8.たん吸引などの実施事業所、加算で評価へ- 厚労省、介護給付費分科会に提案
CareerBrain2011年11月15日

厚生労働省は14日、たんの吸引などを実施する特別養護老人ホーム(特養)と訪問介護事業所を加算で評価することを社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東大名誉教授)に提案した。2012年4月から一定の研修を受けた介護職員らが、利用者に対するたんの吸引や経管栄養を行えるようになることを踏まえた提案。
 たんの吸引などを実施する事業所への加算として提案されたのは、「日常生活継続支援加算」と「特定事業所加算1、3」。「日常生活継続支援加算」は特養を、「特定事業所加算1、3」は訪問介護事業所を対象としている。
 このうち、現在は「入所者のうち、要介護4-5の割合が65%以上または認知症(日常生活自立度3以上)の割合が60%以上」(重度化対応要件)と、「介護福祉士を入所者の数が6またはその端数を増すごとに1以上配置する」(人材要件)を満たせば対象となる「日常生活継続支援加算」については、重度化対応要件の変更を提案。「たんの吸引などを実施する登録事業所として体制を整備し、たんの吸引などが必要な利用者が一定以上の割合入所している」も、算定要件に加えるとしている。
 また、事業体制などに加え、「前年度または前3か月の利用者総数のうち、要介護4-5ならびに認知症(日常生活自立度3以上)の利用者が20%以上」(重度対応要件)が課されている「特定事業所加算1、3」については、重度対応要件の変更を提案。たんの吸引などを手掛ける登録事業所であることを前提に、たんの吸引などが必要な利用者の数も算定要件に加えるとしている。
さらに、たんの吸引などを実施する訪問介護事業所の介護職員に同行し、指導などを行う訪問看護事業所を報酬で評価することも提案された。
 この提案に対し、山田和彦委員(全国老人保健施設協会会長)は、「(特養や訪問介護事業所だけでなく)介護老人保健施設も横並びで評価してほしい」と主張。齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は、特に看護師を多く配置し、医療ニーズの高い利用者を受け入れている特別養護老人ホームについて、高い評価が必要と指摘。さらに、訪問介護事業所と訪問看護事業所が医行為に関して連携するに当たり、マニュアル作りなどが必要になるとした上で、連携にかかわる事業所の事務作業についても評価すべきと訴えた。

9.訪問介護の身体介護、20分未満区分を創設- 24時間訪問への移行目指す
CareerBrain2011年11月14日


食品は、コレステロールレベルを上げるか

14日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東大名誉教授)で厚生労働省は、2012年度介護報酬改定で、訪問介護の身体介護中心型に20分未満の時間区分を創設することを提案した。ただ、対象となる利用者を「要介護3以上」など重度者に限定するほか、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)への参入意思も求めるなど、24時間訪問サービスへの移行を念頭に置いた要件を設定している。
 現行の身体介護中心型の訪問介護では、30分未満(254単位)の時間区分はあるが、20分以上のサービス提供が必要とされており、20分未満の短時間では算定できない。
 厚労省の提案では、30分未満の時間区分を、新設する「20分未満」と、「20分以上30分未満」の2つに再編。短時間のサービスを1日複数回算定できるようにする。ただし、20分未満を算定できる利用者を、▽要介護3以上で、「障害高齢者の日常生活自立度」ランクBかC▽週5日以上、短時間の身体介護サービスが必要と認められる人―に限定。また、事業所の体制に関しては、▽毎日午前6時から午後10時まで営業し、深夜帯もオンコール体制が確保できている▽利用者に関するサービス担当者会議を3か月に1回以上開催し、サービス提供責任者(サ責)が必ず参加している▽24時間訪問サービスを実施する意思がある―との要件も求めている。
 厚労省は20分未満の短時間サービスの報酬について、15年度の次期改定時に、24時間訪問サービスとの関係性を踏まえて必要な見直しを行う方針も示した。
■24時間訪問サービスの看護職、訪看並み2.5人を提案
 また厚労省は、24時間訪問サービスの看護職員の人員基準案を改めて提示した。9月の会合では「サービスの提供に必要な数以上」との案を示していたが、この日の会合では「常勤換算で2.5人以上」と、現行の訪問看護事業所並みの基準にすることを提案。さらに、▽24時間訪問サービスと訪問看護が同じ事業所で一体的に運営されている場合、看護職員の兼務を認める▽常時オンコール体制を確保する―との案も示した。
 また、利用者からのコールを受けるオペレーターの資格要件についても再提案した。9月の会合では、夜間対応型訪問介護のオペレーター要件より緩やかなサ責と同等の要件にするとの案を示していたが、この日の会合では、「現行の夜間対応型訪問介護のオペレーター資格を有する者」と規定する方針を提示。こうした職員が配置されていない時間帯はサ責の従事も認めるが、サ責として3年以上の実務経験がある人に限定するなど、要件を厳格化することにした。

10.2交替看護職員の6割に16時間以上の夜勤- 医労連が調査
CareerBrain2011年11月14日

日本医療労働組合連合会(医労連、山田真巳子・中央執行委員長)は14日、2交替勤務の病棟で働く「看護職員」の約6割の勤務シフトに、1回の勤務が「16時間以上」の「長時間夜勤」が含まれているとの調査結果を公表した。
 医労連では、入院部門で働く看護師らの今年6月分の勤務実績について、医労連に労働組合が加盟している病院、診療所、福祉施設などのうち、24時間交替制勤務を行う443施設(2858病棟)からデータを得た。
 調査結果によると、看護職員の61.0%、「看護要員」(看護職員と、看護補助業務を行う介護福祉士や無資格者)の64.0%が、長時間夜勤を組み込んだシフトの下で勤務していた。長時間夜勤をシフトに組み込んでいる病棟は63.0%で、2010年度の前回調査の66.9%から改善したが、この日に医労連が開いた記者会見で、山田中央執行委員長は「患者さんの命を預かるという点で、16時間以上の勤務は非常に危険だと、これからも申し上げていきたい」と述べ、さらなる夜勤時間の短縮を求めた。
 また同調査によれば、2交替病棟の平均夜勤回数は月4.03回で、10年度調査の4.19回からやや減った。一方、3交替病棟では、準夜勤と深夜勤を合わせ7.63回で、10年度の7.62回から微増した。

11.次期改定、中小病院の評価も必要 - 中医協新委員・万代恭嗣氏に聞く◆Vol.1
中医協委員の依頼、最初は「困る」と返答
M3 2011年11月15日

この11月から、新たに中医協の診療側委員に選任されたのが、日本病院会常任理事で、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)院長の万代恭嗣氏。3期6年委員を務めた全国公私病院連盟副会長の邉見公雄氏の後任だ。中医協の議論は2012年度診療報酬改定に向けて本格化する中、万代氏は前回改定の評価や現行の診療報酬の問題点などをどう捉えているのか。2012年度改定に対する考え方も含め、お聞きした(2011年11月10日にインタビュー。計2回の連載)
――最初に、中医協委員の打診があった際、どう受け止められたのでしょうか。
 大変な仕事なので、最初は正直言って、「冗談じゃない」と思いました。しかし、「困ります」と返事をしたら、(日本病院会会長の)堺常雄先生から、「今、日本の病院医療は危機に瀕していると思わないのか」と聞かれた。当然そう思っている旨をお答えしたら、「だったら、引き受けてほしい。日病の副会長も皆が賛成している」と堺先生。そこまで言われたら仕方がないと、お引き受けしました。
 ――先生が中医協委員の候補に上がったのは、9月でした(『中医協委員候補、一人に絞れず、日病協』を参照)。
 邉見先生が、公的病院の代表だった。だから公的病院から出すべきだと、堺先生も考えたのでしょう。日病の会員病院の先生方は多士済々で、私よりも能力が高い人がたくさんいます。しかし、公的病院、という条件が付くと限定されてしまう。だから消去法で私が選ばれたのでは。
 ――11月から中医協総会は週2回ペースとなり、スケジュール的にもハードです。先生は既に2回参加されましたが(インタビューは11月10日に実施)、率直な感想をお聞かせください。
 皆さんが、いろいろ言いたいことを話される場、というのが率直なところです。日本の医療をいかに効率化するか、診療報酬として手当をして、その結果、最大限の効果をいかに得るかという視点で議論すべきだと思うのです。その辺りが少しずれる、と思ったことはあります。
 ――それはどの場面で感じられたのでしょうか。
 例えば、後発医薬品の議論(『「後発品促進、加算よりも品質保証が重要」、安達委員』を参照)。本音では何が問題かが分かっているのでしょうが、一号側(支払側)の委員は、後発医薬品の使用を増やせば、医療費を削減できるのは間違いない、それが分かっていながら、なぜ後発医薬品を使わないのかと主張する。経済効果だけですね。こちら(診療側)はまず質。質を担保して患者さんの安全を確保して、なおかつ安ければ、という観点で主張する。それですれ違う。全然、見ているところが違う。「なんか一言言いたいのか」とも感じました。
 ――議論の進め方については。
 厚生労働省が、中には不完全なものもありますが、できるだけデータを基に議論を進めていこうとしている点は評価しています。こちらもデータを評価したり、社会保険病院は、比較的平均的な医療をしている病院が多いので、できるだけ社会保険病院のデータとも対比しながら提言し、議論をしていきたい。
 ――全国の社会保険病院のデータは、ベンチマーク的にすぐに分析できる状況にあるのでしょうか。
 今、全国に51の社会保険病院があり、約9割はDPC病院です。DPCのデータはすべて本部に集め、本部から厚労省に提出しています。そのほか、定点観測のシステムもあり、中小病院も含め、細かなデータも本部が持っています。
 ――ところで、先生はこれまでどんな形で、制度改革とのかかわりを持たれていたのでしょうか。
 私は2010年4月に日本病院会の常任理事になった時から、社会保険診療報酬検討委員会の委員長を務めています。従来は、医療制度と診療報酬の問題を一つの委員会で議論していましたが、今度は同時改定であり、作業も多いということで、2010年4月から二つの委員会に分けています。この9月には次期改定に向けた要望をまとめ、厚労省に提出しています。
 ――去年の4月と言えば、ちょうど前回の改定直後に当たります。
  前回改定では、日病の要望のうち、医師事務作業補助体制加算に関するものは少し取り入れてもらえましたが、それ以外で受け入れてもらったものは少ない。この辺りを整理して、次回改定に向けてどうするかが、私の最初の作業でした。
 またちょうど昨年の春ごろ、HIV検査の観血的処置、観血的治療前の検査が問題になっていました。エイズ拠点病院などは、保険病名を付けなくても医療保険で可能でしたが、そうでないところもあり、都道府県によっても対応が異なっていた。B型やC型肝炎と同様に、観血的処置、観血的治療前でも保険による検査を認めてもらえるよう要望しています。現場が困っている保険診療上の問題について、明らかにしていくのが委員会の役割の一つだと考えています。
 また私は、日本病院団体協議会(日病協)や四病院団体協議会(四病協)の議論にも加わっています。日病協の要望事項を日病に持ち帰り、会員の皆さんの意見を聞く。そんな作業を経ながら、日病協では今年7月29日に次期改定に向けて10項目の要望をまとめています。
 もっとも、日病協の要望では、細かい部分までは踏み込めない。それ以外に要望をするのは、各団体の自由でした。そこからは私の委員会の役割であり、大急ぎでアンケートを実施、約185項目集まった要望を精査。中医協が細かな議論に入る前に要望しておかないと、「今ごろ、持ってきて」と言われかねないので、最終的に9月26日に日病としての改定要望をまとめて、厚労省に提出しています。
 日病の要望は、日病協の総論的な内容に各論として付け加えた要望、および日病独自の要望の二本立てで、計64項目から成ります。
 ――前回改定の評価、さらには今改定で重点を置くべき分野について、どうお考えですか。
 2010年度改定は、入院医療に重点が置かれ、結果として急性期病院に有利に働きました。2010年6月頃に、様々な病院団体が調査した結果、やはり病床数が多い病院の方が収支の改善傾向が見られた。改定率は全体で0.19%増でしたが、中小病院は入院医療をやっていても、そのプラス改定の恩恵を受けたわけではなかった。
 日本の医療は、WHOの評価を見ても世界のトップ。その医療のシステムは、歴史の中である程度変化しながら作られてきた。それが機能しているために、良好な医療レベルを保っているのだと思うのです。
 日本の病院には、急性期と亜急性期、慢性期と、いろいろな段階の病院がある。高度急性期病院だけが収益がいいという状況は問題であり、中小病院にも手当する方向性はやはり必要。これが2012年度改定の大きな柱の一つ。
 もちろん、急性期病院の評価も引き続き必要です。例えば、前回改定で、医師事務作業補助体制加算を人員配置数に応じて算定できるようになり、大変楽になっているのは間違いない。さらにもう少し配置できるような評価が必要です。
 ――ある程度規模が大きい急性期の病院は、ようやく一息つき、安心という状況なのか。一息ついたけれど、まだ相当厳しいのか。
 まずは人件費の確保が必要。そのためにこれまで設備投資、つまり減価償却費、それに当たるリース料などを少し抑えてきた。2010年度改定を受けて、ようやく設備投資などにも少し回す余裕が出てきた、というところではないでしょうか。
 ――少し回転が変わり始めたということでしょうか。
 そうですね。医療の進歩に合わせて、各病院も変わっていかなければ、結局は患者さんに影響が及ぶ。進歩に合わせる余裕が少しできた、という印象です。

12.「医師不足問題や後発医薬品」が政策仕分け対象に
11月20日開始、「社会保障分野は注目」と蓮舫行政刷新相
M3 2011年11月14日

蓮舫行政刷新担当相は11月11日の記者会見で、同日の行政刷新会議で歳出全体の削減につなげるために政策・制度的な議論をする「提言型政策仕分け」の対象となる政策を決定したことを発表した。原子力・エネルギーや社会保障、農業など10分野。このうち社会保障分野では、「医療サービスの機能強化と効率・重点化」を取り上げ、内閣府行政刷新会議事務局は、「各診療科における医師の配置、偏在の問題、地域性による医師の偏在などはテーマになると思う」と述べ、医師不足の問題を取り上げる考えを示している。提言型政策仕分けは11月20日~23日の4日間、東京都豊島区のサンシャインシティ文化会館で行われる。
 提言型政策仕分けは、個別事業を議論し、事業の継続・廃止などを決める従来の方法とは異なり、歳出分野を対象として、民間有識者と国会議員の評価者で構成するワーキンググループが、広域の政策テーマを議論し、検証する仕組み(「医療分野、『提言型政策仕分け』の対象化」を参照)。
 蓮舫行政刷新担当相は会見で、「10分野の中でも国民が国政で関心を持っているのは、原子力・エネルギーと社会保障」とした上で、「背景には税金や保険料で運用されているからということもあると思う。各分野をどの程度議論するのかはまだ決めていないが、工夫できればいい」と述べ、関心度が高いとされる分野を重点的に議論する可能性も示唆した。
 社会保障分野では、(1)医療サービスの機能強化や効率・重点化のほか、(2)後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策、(3)介護サービスの機能強化と効率・重点化、(4)持続可能な社会保障制度の在り方、などが議論の対象。
 後発医薬品の使用促進など薬の有効な使用策に関して、蓮舫行政刷新担当相は、「医療財政的な部分もあれば、命や安心・安全を守るための議論が、それぞれの立場できればいい。ただ、この提言型政策仕分けの場で政策を決めて、厚生労働省に提言するものではないので、幅を持った議論をしたい」と述べた。その上で、後発医薬品の使用促進が、厚労省の中央社会保険医療協議会でも議論されている点について、「これまで厚労省の中で議論されてきたことが、国民が関心を持って(会議の)議事録を見てきたわけではないと思う。今まで議論されたことから議論し始めて、政策の方向性などを厚労省に示したい」と述べるにとどまり、中医協の議論に踏み込んで提言をするのではなく、国民に広く関心を持ってもらうための場に� �るとの考えを示した。
 また、蓮舫行政刷新担当相は、「できれば相手の担当大臣にも参加してもらいたい。提言型の仕分けなので外部性と公開性を重視し、今回は情報公開徹底したい。どのように予算を使ってきたのか、制度的あるいは固定化した組織的な問題があったのか、ということを浮き彫りにしたい」と述べ、関心度の高い政策分野については、担当する大臣を交えて議論をする方向で調整していることを明らかにした。
 行政刷新会議事務局によると、11月20日~23日に実施される提言型政策仕分けの詳細のスケジュールは調整中で、決まり次第、同会議のホームページ上で公開するとしている。

13.震災後10日間、「病院は孤立した船だった」
南相馬市立総合病院・及川副院長、混乱の現場振り返る
M3 2011年11月14日

福島県の南相馬市立総合病院副院長の及川友好氏が、11月6日の「現場からの医療改革推進協議会」主催の第6回シンポジウムで、福島第一原発事故直後の混乱した病院内の様子など、3月11日からの「混乱の10日間」を語った。その上で、南相馬市の医療現場は医療従事者が不足し、依然として厳しい状況下にあることを報告した。
 南相馬市立総合病院は福島第一原発から約23キロの距離にあり、病床数は230床。3月11日に地震、津波に巻き込まれ救急搬送された患者は約180人いたが、及川氏は、「病院業務自体にはそれほど影響がなかった。DMATも待機状態だった。しかし、3月12日の原発事故は文字通り通り、地震も津波も吹き飛ばした」と振り返った。南相馬市では電話、インターネットなど通信インフラが遮断。「テレビやラジオでいろいろな情報が伝わってくるが、病院は『孤立した船』になり、様々なことが起きた。多くの職員はパニックに陥った。この時期に病院全体として進む方向の意思決定が非常に難しくなった。休院を主張する者、入院患者を避難させるべきという者、市立病院なので行政の指示に従うべきという者などがいた」。
 その中で、3月14日に職員全員で緊急会議を開き、(1)軽症患者の自主避難を促す、(2)重症患者は病院内で継続治療する、という意思統一をした。(2)については「大部分の職員から異論が出たが、あの時期は救急車両でさえ、原発から30キロ圏内に入らず、重症患者を搬送する応援も受けられない状況だった」と判断の理由を語った。
 しかし、その方針を伝えた後、福島第一原発3号機で午前11時1分に水素爆発が起きた。テレビで爆発を知った及川氏は、「これで自分の命は終わったなと思った」といい、「この時に家族を退避させたが、形見を渡した」。深刻な事態の中、及川氏は金澤幸夫院長と協議し、スタッフ、職員の避難の許可を認める決定を下した。インフラは遮断されており、病院運営の責任者である桜井勝延・南相馬市長に伝えられなかった。「職員は半分ぐらい残ると思ったが、翌日病院へ行くと、残ったのは3分の1だった。274人いた職員が80~90人になった。怖かったのだと思う、僕も怖かったので責める気はない。想定外だったのは、契約業者がゼロになったこと」。病院事務や給食、清掃、警備業務に当たる契約業者50社がすべて撤退。看護師が事� �や給食を、診療放射線技師らが警備を代行した。
屋内退避指示の弊害と遺恨
 さらに政府が3月15日に原発から半径20~30キロ圏内を屋内退避指示区域に指定すると、ドクターヘリ、救急車両、DMATも同区域内に立ち入らず、物流機能も止まった。底を尽きたガソリンと食糧は、自衛隊の支援物資に頼った。及川氏は「国が(屋内退避指示区域という)政策を打ち出すことに問題ないが、政策を出した後のフォローアップが全くなされていない」と憤る。3月18日以降、入院患者を30キロ圏外に搬送。「30キロ圏の境界まで自衛隊が移送し、そこで救急車両に移し搬送する困難なミッションだった」。(「『屋内退避指示』、入院患者全員を搬送」-南市立総合病院院長・金澤幸夫氏に聞く◆Vol.2 参照)この間を及川氏は「混乱の10日間だった」と振り返った。
 3月20日以降、入院患者の受け入れが一切なくなり、同区域内では南相馬市立総合病院以外の医療機関は一時的に閉鎖した。同病院以外の患者の薬を処方するにも、医療情報を共有できていないために困難が生じた。診察では野生化しつつある犬に噛み付かれるといった特異なケースも増えたという。「震災当時は16人の医師がいたが9人に、その後、4人となり、3月21日~27日の間は医師が3人になった」。危機的な状況はボランティアの医師派遣で乗り越えたといい、及川氏は「当初はボランティアを受け入れるのは苦手だったが、今は慣れた」と語った。
 最後に及川氏は、南相馬市の医療の現状も報告。南相馬市立総合病院は10月24日時点で、震災前と比較して常勤医師は14人から7人に、看護師が138人から87人にそれぞれ減り、病床数230に対して入院可能数は100。他方、同市内では、病床数254と175の2私立病院で入院患者の受け入れを再開できない状態が続く。「医師もさることながら、看護師、医療スタッフが枯渇している。これをどうするのか考えなくてはいけない」と指摘。その上で及川氏は、「我々の地域は支援を受けるだけではなく、我々も社会の復興を目指さなくてはいけない。今は救急医療をどうするのか。これだけスタッフが少ない中で二次救急をどう再生するのかを考えている」と締めくくった。

14.頸動脈IMT値を自動測定できるエコーが登場
健診時の心臓血管系疾患のリスク判定に有効
日経メディカル2011年11月15日

動脈硬化の進行の把握に頸動脈エコーの有用性が注目されている。しかし、指標となる内膜中膜複合体厚(IMT)値の測定には一定の技術が必要だ。それを自動で測定できるエコーが9月に登場した。
 空腹時血糖が軽度高値(120~150mg/dL)と指摘された55歳の男性患者が、ある日、精査目的で江草玄士クリニック(広島市中区)を受診した。患者はそれまで医療機関にかからず、カロリー制限と運動を心掛けていた。院長の江草玄士氏は2型糖尿病の疑いから、血液検査を実施した。しかし、空腹時血糖値以外の数値は、ほぼ正常の範囲に収まっていた。
 次に江草氏は、動脈硬化の進行度を見るため頸動脈エコーを実施。するとIMT値は1.8mmで、50~60歳の基準値1.0mmを大幅に超える肥厚が認められた(症例1)。
症例1 55歳、男性(江草氏による)


レチンは悪くありません

  6年前に空腹時血糖が軽度高値(120~150mg/dL)と指摘された。患者は病院へは行かず、カロリー制限と運動を心掛けていた。糖尿病の検査目的で来院し。喫煙(-)、飲酒(+)。
【検査所見】
身長172cm、体重63kg、BMI21.7、血圧136/80
【血液検査所見】
空腹時血糖141mg/dL、HbA1c6.0%、AST8 IU/L、BUN18mg/dL、Cre0.76mg/dL、TC159mg/dL、TG86mg/dL、HDLC62mg/dL、LDL-C80mg/dL
 江草氏は「必ずしも動脈硬化の進行度が血液検査の結果に反映されるわけではない。頸動脈エコーを併せて行うことで、心臓血管系疾患の発症リスクの判断がより正確になる」と話す。
難しい内膜中膜の判断
 頸動脈は動脈硬化の好発部位とされており、頸動脈エコーでのIMT測定は全身の動脈硬化の進行度の把握に有用とされている。2012年に予定されている「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」の改訂では、血液検査に加えてIMT値を動脈硬化症診断の指標に追加しようとする動きもある。
 だが、それには課題がいくつかある。(1)超音波画像から内膜、中膜、外膜の境界を判断するのが難しいこと(2)検査のたびに正確な測定値を得るには熟練した技術が必要になること(3)超音波診断装置が高額なこと─などだ。
 江草氏は「一般開業医が、動脈硬化の指標にIMT値を活用するには相応の経験とトレーニングが必要だろう」と話す。
短時間で計測、健診に有用
 しかし今年9月、パナソニックヘルスケアがIMT値の自動測定に特化した超音波診断装置「GM-72P00A」の製造販売承認を取得し発売。パナソニックブランドとして初めて商品化した超音波診断装置だ。
 同装置は、患者の頸部にプローブを当てるだけで、超音波の反射波から頸動脈の内膜と中膜の境界を描出。同時に血管壁の拡張と収縮の動きを自動的にリアルタイムで解析し、得られた超音波の反射波による位相差から血管の拡張速度を算出する。最も血管の内径が小さくなる心拡張末期の瞬間に合わせて頸動脈の内膜と中膜の境界を検出し、IMT値を測定する(図1)。

図1 「GM-72P00A」の測定画面(提供:パナソニックヘルスケア)
従来は、測定者が心電図とエコーを用いて心拡張末期を判断し、内膜と中膜の境界を手動で指定していた。これらの作業をすべて自動で行える上、再度計測する場合も装置の画面に示されるプローブの当て方の画像に沿って行えば、ほぼ同じように測定できる。
 さらに、年齢やコレステロール値などの数値を登録しておけば、心臓血管系疾患に対するリスクを総合的に判定してくれる。
 スウェーデンのウメオ大病院は、今年8月の欧州心臓病学会で、この機器を使った場合と、通常のエコーで超音波検査士が測定した場合のIMT計測値の精度を比較した結果を発表した。被験者は平均年齢61.5歳の成人56人(23~84歳)。各方法で両側の頸動脈を3回ずつ計測した。
 その結果、IMT値を自動測定した際の同一被験者における測定値の差は0.04mm程度であり、ばらつき(変動係数)は、全被験者平均で右頸動脈で6.1%、左で5.1%だった。対して通常のエコーでは、右頸動脈が5.9%、左が5.9%で、両者に有意な差は認められなかった。
 この装置のもう1つの特徴は、5分以内にIMT値を計測できることだ(図2)。「これまでは、患者をベッドに寝かせてから測定値を得るまで約15分かかり、効率が悪かった」とパナソニックヘルスケア商品第1グループ企画チームリーダーの粂内太郎氏は話す。

図2 IMT測定手順の比較(パナソニックヘルスケアによる)
 ただし、国内での比較試験はまだ行われていない。滋賀医大生活習慣病予防センター特任教授の上島弘嗣氏は「今後、精度の高い従来法での測定結果との比較・検討が必要だ」と話す。
 また、当面の使い道として、このエコーの開発に関わった松尾クリニック(大阪府八尾市)理事長の松尾汎氏は「IMT測定とともに、血圧や心電図、脈波など他の指標を入力すれば、これらのデータと合わせて心臓血管系疾患のリスクを判断できる。動脈硬化の進行度を総合的に経過観察できる機器として、健診などに有用なのではないか」と話している。
 一般的なエコーの価格は様々だが、同装置はIMT測定に機能を絞ることで、数百万円程度と比較的安価に設定されている。

15.3価不活化インフルワクチンの成人でのefficacyは59%
PCR・培養による確定例のみを対象としたメタ分析の結果(Lancet Infect Dis誌から)
日経メディカル2011年11月15日

インフルエンザワクチンの有効性をインフルエンザ確定例を指標に評価した研究のみを対象とした、初めてのメタ分析の結果が、Lancet Infectious Diseases誌電子版に2011年10月26日に掲載された。著者である米Minnesota大学のMichael Osterholm氏らは、3価の不活化ワクチン(TIV)の成人に対するefficacy(臨床試験など理想的な条件下で得られた有効率)は59%にとどまり、65歳以上と小児に対する効果を示したエビデンスはないこと、弱毒生ワクチン(LAIV)は7歳までの小児には高いefficacyが期待できることなどを明らかにした。
 過去60年間、ワクチンはインフルエンザ予防戦略の中心にあった。米国では現在、生後6カ月以上の全員に対してTIVの接種が、また、2歳から49歳の妊婦以外の健康な人々にはLAIVの接種も推奨されている。だが、LAIV接種者はインフルエンザワクチン接種者全体の約9%にすぎない。
 著者らは現時点で最も質の高いエビデンスを得るために、厳格な条件を設定して、米国で承認されているインフルエンザワクチンの有効性を評価するメタ分析を行った。
 Medlineを対象に、1967年1月1日から2011年2月15日までに報告された論文で、RT-PCRまたは培養法を用いてインフルエンザウイルスの感染を確認していた研究を探した。
 まず、インフルエンザワクチン、偽薬、別のワクチンのいずれかを接種した人々が、その後の流行期にインフルエンザ確定例となるリスクを比較した無作為化試験を選出し、TIVとLAIVについて、統計解析が可能なデータを選んでプールし、ランダム効果モデルを用いてefficacyを求めた。
 次に、条件を満たす観察研究(ケースコントロール研究、ケースコホート研究、前向きコホート研究)の中から、同様に、RT-PCRまたは培養でインフルエンザ罹患を判定していたもの選出し、effectiveness(現実社会で集団に見られた効果)を評価した。
 条件を満たしたのは31件の研究で、無作為化試験が17件、観察研究は14件だった。
 TIVに関する無作為化試験で、著者らが設定した条件を満たした中に、2~17歳を対象とする研究と65歳以上を対象とする研究はなかった。
 18~64歳を登録して行われた無作為化試験で、プール解析が可能だった8件のデータを合わせて推算したefficacyは、59%(95%信頼区間51-67%)になった。これらのうち有意なefficacyを報告していた研究は6件で、50%から75%までの幅があった。
 LAIVに関する無作為化試験のうち、18~49歳を対象に行われた3件の研究は、いずれも有意なefficacyを示していなかった。一方、生後6カ月から7歳までの小児を登録した8件の研究のプール解析の結果は、この年齢の小児に対するLAIVのefficacyが83%(69-91%)になることを示した。それぞれの研究が報告していたefficacyは57%から93%の幅があった。8歳から17歳の小児について調べた研究の中には条件を満たすものはなかった。

16.家族性大腸癌家系の人がアスピリン常用で大腸癌罹患が減少
1日600mgを約2年服用した人々を約5年追跡(Lancet誌から)
日経メディカル2011年11月15日

大腸癌などの罹患リスクが上昇しているリンチ症候群(家族性非ポリポーシス大腸癌;HNPCCとも呼ばれる)のキャリアを対象とした二重盲検無作為化試験で、アスピリン600mg/日の2年以上の服用が、その後の大腸癌罹患を有意に減らすことが明らかになった。英Newcastle大学のJohn Burn氏らが、Lancet誌電子版に2011年10月28日に報告した。
 アスピリンの日常的な摂取が大腸癌リスクを減らすことは、いくつかの観察研究のデータで示されている。一方で、無作為化試験では、アスピリンの大腸腺腫リスク低減効果は示されているものの、大腸癌罹患に対する影響の評価は行われていなかった。
 リンチ症候群のような、単一遺伝子の変異によって癌に罹患しやすくなっている患者は、癌の化学予防を目的とする臨床試験の対象として好適だ。予防効果が評価しやすいだけでなく、得られた結果は、そうした患者と同様のメカニズムで発生する散発性の癌に対する予防法の確立にも役立つと期待される。
 そこで著者らは、リンチ症候群の原因となる変異が陽性と判定されたキャリアを対象に、アスピリンと難消化性デンプンの癌予防効果を偽薬と比較する無作為化試験CAPP2を実施した。これは、主要エンドポイントを大腸癌、追跡期間を10年に設定した長期的な研究で、1999年1月から2005年3月までに、世界の43施設で937人を登録した。
 試験は2×2のファクトリアルデザインになっており、患者は、600mgのアスピリンまたはアスピリンの偽薬と、30gの難消化性デンプンまたは難消化性デンプンの偽薬に割り付けられた。既に、29カ月(中央値)の介入終了時点の分析結果が報告されているが、その時点ではアスピリンと難消化性デンプンの両方について介入の有意な効果は示せなかった。
 今回著者らは、アスピリンと偽薬の比較に限定して、さらに長期間追跡した結果を報告した。アスピリン投与に適さない患者を除外したため、アスピリンに割り付けられた患者は427人、偽薬に割り付けられた患者が434人だった。分析時点で、最初に登録された患者は10年間の追跡を終えていた。割り付けからの追跡期間の平均は55.7カ月で、介入期間の平均は、アスピリン群が25.0カ月、偽薬群が25.4カ月だった。
 48人(アスピリン群18人、偽薬群30人)に、53カ所の原発性大腸癌が発見された。リンチ症候群に特徴的といえる、大腸の2カ所に原発性の癌が見付かった患者が5人(アスピリン群1人、偽薬群4人)いた。
 intention-to-treat分析で初回大腸癌罹患までの時間を比較したところ、アスピリン群のハザード比は0.63(95%信頼区間0.35-1.13、P=0.12)となり、有意差は見られなかった。次に、複数カ所の原発性大腸癌発症を考慮してポワソン回帰分析を行ったところ、罹患率比は0.56(0.32-0.99、P=0.05)と有意なリスク低減を示した。
続いて、割り付け薬を2年以上使用した患者 (アスピリン群258人、偽薬群250人)に限定したper-protocol分析を行ったところ、ハザード比は0.41(0.19-0.86、P=0.02)、罹患率比は0.37(0.18-0.78、P=0.008)になった。
 アスピリンを2年以上使用した患者の100人-年当たりの罹患率は0.06、2年未満だった患者では0.13だった。偽薬を2年以上服用したグループの罹患率は100人-年当たり0.14、2年未満のグループでは0.10で、差は見られなかった。
 2年以上割り付け薬を使用した人々の大腸癌罹患率を、カプラン-マイヤー曲線で示した。偽薬群とアスピリン群の罹患率の差が確認できるのは、割り付けから3~4年を経てからで、差が顕著になるまでにさらに数年を要していた。これは、アスピリンの大腸癌予防効果が現れるまでには長期間を要することを意味する。
 大腸癌以外のリンチ症候群関連の癌に対するアスピリンの影響も調べた。38人が大腸癌以外の癌を発症、うち16人がアスピリン群、22人が偽薬群で、ハザード比は0.63(0.34-1.19、P=0.16)、罹患率比は0.63(0.34-1.16、P=0.14)になった。per-protocol分析では、アスピリンを2年以上服用した患者のハザード比は0.47(0.21-1.06、P=0.07)、罹患率比は0.49(0.23-1.05、P=0.07)と、有意ではないがリスク低減傾向を示した。
 最後に大腸癌も含めたリンチ症候群関連の癌罹患について分析すると、ハザード比は0.65(0.42-1.00、P=0.05)、罹患率比は0.59(0.39-0.90、P=0.01)に、2年以上使用した患者に限定すると、ハザード比は0.45(0.26-0.79、P=0.005)、罹患率比は0.42(0.25-0.72、P=0.001)になった。
 600mg/日のアスピリンを約2年(中央値)使用した患者をベースラインから5年弱追跡したところ、「2年以上服用した患者」などの条件下において、リンチ症候群キャリアの大腸癌罹患率は偽薬群に比べ有意に低下していた。著者らは、アスピリンの最適用量や投与期間を明らかにするCAPP3研究を行う必要があると考えている。
 原題は「Long-term effect of aspirin on cancer risk in carriers of hereditary colorectal cancer: an analysis from the CAPP2 randomised controlled trial」

17.心肺蘇生術時の除細動前の中断時間を短くするほど生存率は向上する
【原題】Shorter Preshock Pauses During CPR Improve Survival
Journal Watch Hospital Medicine日経メディカル2011年11月15日

Both return of spontaneous circulation and survival to hospital discharge improve.
Pulse checks interrupt chest compressions and no longer are recommended during cardiopulmonary resuscitation (CPR), but delivering a shock clearly requires a pause in compressions. In a study of 815 patients in Canada and the U.S. who received some 2400 shocks, researchers analyzed the association between pause duration and outcomes.
The mean arrival time for responders was 5.9 minutes. The median preshock pause (time from cessation of CPR to shock delivery) was 15.6 seconds (range, 0-107 seconds), and the median postshock pause (time from shock delivery to resumption of CPR) was 8.3 seconds (range, 0-220 seconds); guidelines recommend pause duration ≦5 seconds. The odds of return of spontaneous circulation in the emergency department were 0.37 in patients with preshock pause ≧20 seconds (compared to those with preshock pause <10 seconds) and 0.52 for patients with perishock pause (total duration of the 2 pauses) ≧40 seconds (compared to those with perishock pause <20 seconds). The corresponding odds of survival to hospital discharge were 0.47 and 0.54 for preshock and perishock pauses, respectively. Preshock pause, but not postshock pause, was associated independently with mortality.
COMMENT
The time is muscle paradigm is as applicable to CPR compressions as to moresophisticated interventions. Shortening the preshock pause will not be easy and will require both team training and design improvements in defibrillators. Continuing compression while the defibrillator is charging might provide the most bang for the buck.
― J. Stephen Bohan, MD, MS, FACP, FACEP, Journal Watch Emergency Medicine
Cheskes S et al. Perishock pause: An independent predictor of survival from out-of-hospital shockable cardiac arrest. Circulation 2011 Jul 5; 124:58.

18.臓器移植レシピエントのがん発症リスクは2倍以上、最大は非ホジキンリンパ腫の7.5倍
CareNet2011年11月15日

臓器移植を受けた人(レシピエント)のがん発症リスクは、一般の人の2倍以上に増大することが明らかにされた。32種類のがんについてレシピエントの発症リスク増大が認められ、なかでも最も発症頻度が高かったのは非ホジキンリンパ腫で、発症リスクは約7.5倍に上った。米国国立がん研究所(NCI)のEric A. Engels氏らが、約18万人のレシピエントと、13州のがんに関する登録簿を調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2011年11月2日号で発表した。これまでの研究から、レシピエントは、免疫機能低下や臓器ウイルス感染が原因で、がんの発症リスクが増大することは知られていた。
がん全体の標準化罹患比は2.10、過剰絶対リスクは10万人・年当たり719.3
研究グループは、1987~2008年の米国移植レシピエントの登録簿「US Scientific Registry of Transplant Recipient」に登録された17万5,732人の臓器移植レシピエントを元に、多種のがん発症リスクについて分析した。同レシピエントのうち、腎臓が58.4%、肝臓が21.6%、心臓が10.0%、肺が4.0%だった。
全体では、がんを発症したのは1万656人で、発症率は1,375人/10万人・年、標準化罹患比は2.10(95%信頼区間:2.06~2.14)、過剰絶対リスクは719.3/10万人・年(同:693.3~745.6)だった。
肝臓移植後6ヵ月以内の肝臓がん発症リスクは500倍超
なかでも、非ホジキンリンパ腫の発症頻度が最も高く、発症者数は1,504人、発症率は194.0/10万人・年、標準化罹患比は7.54(同:7.17~7.93)、過剰絶対リスクは168.3/10万人・年(同:158.6~178.4)だった。
次いで頻度が高かったのは肺がんで、発症者数は1,344人、発症率は173.4/10万人・年、標準化罹患比は1.97(同:1.86~2.08)、過剰絶対リスクは85.3/10万人・年(同:76.2~94.8)。続いて肝臓がんで、発症者数は930人、発症率は120.0/10万人・年、標準化罹患比は11.56(同:10.83~12.33)、過剰絶対リスクは109.6/10万人・年(同:102.0~117.6)、腎臓がんの、発症者数752人、発症率は97.0/10万人・年、標準化罹患比は4.65(同:4.32~4.99)、過剰絶対リスクは76.1/10万人・年(同:69.3~83.3)だった。
肺がんについては、肺移植レシピエントで最も発症リスクが高く標準化罹患比は6.13だったが、他の臓器移植レシピエントでも高く、心臓2.67、肝臓1.95、腎臓1.46であった。
肝臓がんについては、肝移植レシピエントでのみ発症リスクが増大し、標準化罹患比は43.83、なかでも移植後6ヵ月の同リスクは著しく高く同比508.97に上った。術後10~15年のリスクも2倍以上に上った(標準化罹患比:2.22、95%信頼区間:1.57~3.04)。
腎臓がんは、腎移植レシピエントで高く標準化罹患比は6.66で、その値は追跡期間中に上昇したり下降したりした。また肝移植レシピエント(同1.80)、心移植レシピエント(同2.90)でもリスク増大が認められた。

19.胸部X線による肺がん検診、肺がん死亡率低下に効果なし
CareNet2011年11月15日

胸部X線による年1回の肺がん検診は、肺がん死亡率を低下しないと結論する報告が発表された。米国・ミネソタ大学のMartin M. Oken氏らが、15万人超を対象に行われた、がんスクリーニング無作為化比較試験「PLCO」から肺がんスクリーニング4年間の追跡結果を解析した結果で、JAMA誌2011年11月2日号(オンライン版2011年10月26日号)で発表した。胸部X線による肺がん検診の死亡率に対する有効性は、これまで明らかにされていなかった。
追跡期間13年間で、肺がん死亡率、肺がん罹患率などを分析
PLCOは前立腺、肺、大腸、卵巣の4つのがんスクリーニングを対象とする試験。被験者は毎年スクリーニングを受ける群と、通常の医療ケアを受ける群に割り付けられフォローアップが行われた。
研究グループは、それら被験者の胸部X線による肺がんスクリーニングの死亡率の影響を調べた。1993~2001年にかけて、55~74歳の15万4,901人が無作為に割り付けられ、一方の群(7万7,445人)には年1回の胸部X線正面像撮影による肺がんスクリーニング検査が4年間にわたり行われた。もう一方の群(7万7,456人)には通常の医療ケアが行われた。
スクリーニング検査の陽性結果に対するフォローアップについては、被験者とその医師らによって決定した。
主要アウトカムは肺がん死亡率、副次アウトカムは肺がん罹患率と診断目的の処置による合併症、総死亡率とされた。
追跡期間は13年、または2009年末時点までのいずれかで、先に到達した時点までで調査が行われた。
累積肺がん罹患率、肺がん死亡率ともに両群で有意差なし
検診群における肺がん検診実施率は、初回が86.6%、1~3年後は79~84%だった。対照群における検診実施率は、11%だった。
追跡期間中の累積肺がん罹患率は、1万人・年当たり、検診群20.1、対照群19.2と、両群で有意差はなかった(累積肺がん罹患率比:1.05、95%信頼区間:0.98~1.12)。
同期間中の肺がん死亡数も、検診群1,213人、対照群1,230人と、両群で同等だった(肺がん死亡率比:0.99、同:0.87~1.22)。肺がんの組織学的状態や病期についても、両群で有意差は認められなかった。
また、大量喫煙者3万人超について6年間追跡して行ったサブグループ分析でも、検診群と対照群で、肺がん死亡率に有意差はなかった(肺がん死亡率比:0.94、同:0.81~1.10)。

20.飲み過ぎは乳癌リスク高める

文献:Chen WY et al.Moderate Alcohol Consumption During Adult Life, Drinking Patterns, and Breast Cancer Risk.JAMA. 2011;306(17):1884-1890.
 Nurses' Health Study参加の女性10万5986人を対象に、成人期の飲酒と浸潤性乳癌の関連を前向き観察研究で調査。アルコール消費量が5.0-9.9g/日でも乳癌リスクと統計的有意に関連し、相対リスク(主要評価項目)は1.15だった。累積飲酒量で調整後、飲酒頻度ではなく飲み過ぎと乳癌リスクに関連が見られた。

21.臓器移植者、発癌リスク2倍

文献:Engels EA et al.Spectrum of Cancer Risk Among US Solid Organ Transplant Recipients.JAMA. 2011;306(17):1891-1901.
 米国の実質臓器移植患者17万5732人のデータを対象に、癌リスクをコホート研究で評価。1万656件の癌発生が見られ、全体的な癌リスクが増加していた。癌発生は10万人年当たり1375件だった(標準化罹患比2.10、過剰絶対リスク719.3)。肛門癌、カポジ肉腫、黒色腫など32種類の悪性腫瘍でリスクの増加が見られた。

22.ミニ移植5年生存率は35%

文献:Sorror ML et al.Long-term Outcomes Among Older Patients Following Nonmyeloablative Conditioning and Allogeneic Hematopoietic Cell Transplantation for Advanced Hematologic Malignancies.JAMA. 2011;306(17):1874-1883.
 60-75歳の造血器悪性腫瘍患者372人を対象に、低線量全身照射の前処置または全身照射にフルダラビンを足した前処置の骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植(ミニ移植)の成績を前向き研究で検討。5年累積非再発死亡率は27%、5年の再発率は41%。5年の全生存率は35%、5年の無増悪生存率は32%だった。転帰に年齢群別の統計的有意差は見られなかった。

23.C. difficile院内感染、患者の3%

文献:Loo VG et al.Host and Pathogen Factors for Clostridium difficile Infection and Colonization.N Engl J Med 2011; 365:1693-1703.
 入院患者4143人を対象に、医療に関連したClostridium difficile感染の要因を前向き研究で検証。感染は117人、定着は123人に見られた。高齢と抗生物質およびプロトンポンプ阻害薬の使用が感染と有意に関連していた。化学療法治療中、プロトンポンプ阻害薬およびH2遮断薬の使用などが定着と関連していた。


日焼けにどのような配置に

24.学会ダイジェスト:第75回米国リウマチ学会

1) 膝骨関節炎の発症リスクが高いスポーツはサッカー、長距離走、ウエイトリフティング、レスリング

様々なスポーツの中で、膝骨関節炎の発症リスクを高めるスポーツは、サッカーやレスリングなど、膝に強い負荷のかかる一部のスポーツに限られることが示された。米タフツ大学医療センターのJeffrey B.Driban氏らが発表した。
 「膝骨関節炎のリスクについて調べたこれまでの研究は、スポーツの種類やレベルなどを区別せずに検討したものが多いため、レクリエーションスポーツを行う一般の人々に対するリスクの説明が難しかった」(Driban氏)。そこで、膝骨関節炎のリスクを高めるスポーツが何かを特定するために研究を行った。
 2011年3月に、PubMedやOVIDなどの6つのデータベースによる自動文献検索、およびジャーナルのマニュアル検索などによって得られた約1万5000の論文の中から本研究の基準を満たす16の研究を抽出。主に10のコホート研究を中心に、計3192人のスポーツ参加者について分析、検討を行った。
 その結果、全スポーツ参加者の膝骨関節炎の発症率は8.4%で、何もスポーツを行わない集団(NE群、3285人)の9.1%に比べやや低かった(相対リスク〔RR〕:0.9、95%信頼区間:0.8‐1.1)。
 しかし、スポーツの種類ごとに対NE群のリスクを算出したところ、長距離走(RR:3.2、95%信頼区間:1.40-7.11)、サッカー(RR:4.4、95%信頼区間:3.07-6.24)、ウエイトリフティング(RR:6.4、95%信頼区間:3.16-12.85)、レスリング(RR:3.7、95%信頼区間:1.78-7.49)の4つのスポーツで統計的に有意にリスクが高いことが分かった。
 サッカーに関するデータの分析では、膝損傷の既往がない場合でも膝骨関節炎発症率がNE群に比べて高いことも示された(エリート選手で10.7%、非エリート選手で2.7%、NE群1.3%)。
 Driban氏は、「膝骨関節炎の発症リスクを高めるスポーツは、特定のスポーツに限られることが示された。レクリエーションレベルで行う多くのスポーツには同リスクを高める心配はないだろう。少しでも膝骨関節炎のリスクを軽減したいならば、膝に負担のかかりにくく膝傷害のリスクが少ない、また他者との接触のないスポーツを選ぶとよいだろう。水泳、ダブルテニス、サイクリングなどは適した運動だ」とまとめた。
 リスクを高めるサッカーやレスリングなどのスポーツ参加者へのアドバイスとしては、「膝の外傷をできるだけ予防するよう心がけることと、肥満などのそれ以外のリスクファクターを増やさないことが大切だ。エリート選手は引退すると体重が増加しやすいので、その後の生活管理が重要となる」と話した。

2) 魚油の摂取は変形性膝関節症の症状を改善、長期間では低用量が良好

魚油には、変形性膝関節症の症状を改善する効果があることが確認された。変形性膝関節症の患者を対象に2年間にわたって行った多施設共同二重盲検無作為化試験の成果で、オーストラリアQueen Elizabeth病院のCatherine L. Hill氏らが発表した。
 対象は40歳以上で、ACRの分類基準で変形性膝関節症と診断された通常の膝関節痛(NRS≧2)を認める患者。被験者は、抗炎症用量とされるEPA18%とDHA12%を含む高用量魚油(15mL/日)と、この魚油とsunola油を1対9の割合でブレンドした低用量魚油(15mL/日)を摂取する群に無作為に割り付けられた。それぞれの油は柑橘類で風味を整え、どちらが高用量魚油あるいは低用量魚油かは分からないようにした。無作為化する前の4週間は、魚油に不寛容の人を除外するため、同様の魚油を摂取してもらった。
 登録時の膝関節のX線写真は、国際変形性関節症学会(OARSI)のアトラスでスコア化した。主要評価項目は、登録時から3、6、12、24カ月時点のWOMAC疼痛スコアの変化とした。副次的評価項目は、WOMAC機能スコア、OMERACT-OARSI の効果判定基準の変化とした。得られた臨床試験データは、ITT法 (LOCF) により統計解析した。
 その結果、被験者は202人で49%が女性だった。登録時の平均年齢は60.9歳、平均BMIは29.0で、患者背景において両群に著しい違いは見られなかった。介入試験中、高容量群(101人)では34.6%が途中で試験を中止した。中央値は3カ月だった。中止例は、低用量群(101人)の19.8%(中央値7.5カ月)に比べ有意に多かった。
 摂取の効果については、WOMAC疼痛スコアとWOMAC機能スコアは、両群とも登録時に比べて有意に改善していた(P<0.003)。ただし、最初の1年間に違いはなかったが、24カ月後には低用量群の方が高容量群よりも、WOMAC疼痛スコアとWOMAC機能スコアの改善度合いが上回っていた。また、24カ月後には、OMERACT-OARSIの効果判定基準の変化は、低用量群において有意に良好であることも分かった(P=0.06)。
 これらの結果から演者らは、「低用量、高用量とも魚油の摂取は、変形性膝関節症の症状を改善した。ただし、2年目には低用量の方が高用量より有意な改善効果を示した」と結論した。また、途中で試験を中止した人の割合に差があったことが影響した可能性があるとしつつも、「低用量の方が、炎症レベルの低い変形性関節炎に適していることを示唆しているのかもしれない」と考察した。

3) 生物学的製剤の使用で日本人RA患者の死亡リスクが上昇することはない

生物学的製剤の投与を受けた関節リウマチ(RA)コホートと、一般人口および医療機関に通院中のRA患者コホートの死亡率を比較した日本人対象の研究で、生物学的製剤によって死亡リスクが上昇することはないことが示唆された。東京女子医科大学の中島亜矢子氏らが報告した。
 本検討で対象とした生物学的製剤投与コホートは、東京女子医科大学など日本国内の6施設で、1剤以上の生物学的製剤投与を受けたRA患者2697人である。1剤目として使用された生物学的製剤は、インフリキシマブが41.3%、エタネルセプトが39.0%、アダリムマブが12.7%、トシリズマブが6.3%だった。
 登録患者の背景は、女性が83.6%で、ベースラインの年齢は58.0歳、罹病期間は6.9年、DAS28-CRPは4.9、HAQは1であった(いずれも中央値)。メトトレキサート使用患者は77.7%、ステロイド使用患者は54.2%であり、その使用量(中央値)はそれぞれ8mg/週、4mg/日だった。また、主な罹病歴は、肺結核3.3%、悪性新生物4.5%、虚血性心疾患1.4%、脳血管障害1.3%、消化管出血1.0%などだった。
 このコホートでは、2010年5月15日までの追跡期間中(6940.9人・年)に38件の死亡が確認された。主な死因は呼吸器疾患18例(うち肺炎8例)、悪性新生物5例などだった。また、520例(20.0%)は追跡期間中に追跡不能になった。
 追跡不能例について重み付けした上で、日本人一般人口と比較した標準化死亡比(SMR)は1.08(95%信頼区間:0.77‐1.47)で、両者の死亡率に差は認められなかった。
 また、東京女子医科大学が10年来、データ収集を続けている実臨床のRA患者データベースであるIORRAコホートとの比較でも、SMRは0.93(95%信頼区間:0.66‐1.28)で、ここでも有意差はみられなかった。
 次に、死因別にみたSMRは、一般人口との比較で肺炎が4.18(95%信頼区間:1.81‐8.24)、肺炎を含む呼吸器疾患が9.41(95%信頼区間:5.58‐14.87)であり、有意なリスクの上昇が認められた。一方で、悪性新生物のSMRは0.29(95%信頼区間:0.10‐0.69)と、有意に低率だった。
 また、生物学的製剤投与コホートにおいて、年齢、性別、DAS28、罹病期間、メトトレキサート投与量、ステロイド投与量の各因子を説明変数、死亡を従属変数とした多変量解析を行ったところ、年齢、性別(男性)、ステロイド投与量の3つが有意な危険因子として同定された。
 これらの結果から、生物学的製剤投与のRAコホートにおける死亡リスクは一般人口と変わらず、生物学的製剤の使用によって日本人RA患者の死亡リスクが増加することはなかったことが示された。一方、呼吸器疾患に関連した死亡リスクの上昇は明らかで、とりわけ、今回死亡リスク上昇の危険因子として同定された高齢者や男性、高用量のステロイド使用者などには、注意して治療に当たることが必要となるだろう。

4) ちょっと少なめに注いだグラスワイン1杯程度の飲酒に、RA発症リスクを軽減する効果

1日にアルコール含有量にして10g未満の飲酒に、例えばちょっと少なめに注いだグラスワイン1杯ならば、RA発症リスクを軽減する効果が期待できることが示された。看護師健康調査(Nurses' Health Study)の一環として行われた女性におけるアルコール摂取量とRA発症に関する調査の結果、明らかになった。米Brigham Women's病院・米ハーバード大医学部のBing Lu氏らが発表した。
 対象とした看護師健康調査(NHS)は1976年に開始されたもので、米国11州から30~35歳の12万1700人の女性看護師が参加した。生活様式、環境、アウトカムについて2年ごとに実施する質問表への回答を通して、データを収集した。アルコール消費については、1980年から2006年の間に4年ごとに実施した食事頻度質問表(FFQ)をもとに調べた。
 1980年の登録時にFFQを完了した9万5516人の女性のうち、RAの既往があると報告した女性あるいは他の結合組織疾患の既往があると報告した女性は除外した。また、2006年までのRA発症診断は、結合組織疾患スクリーニング質問表ならびに米国リウマチ学会基準により医療記録をレビューすることで確認した。
 アルコール消費の程度で5群(なし0、<5g/日、5~9g/日、10~19g/日、≧20g/日)に分類し検討した。それぞれのアルコール飲料のアルコール含有量は、ビール1瓶または1缶当たり13.2g、ワイン1グラス当たり10.8g、蒸留酒1標準量当たり15.1gを基準に推定した。これらのデータを元に、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、喫煙、BMI、閉経、授乳などについて補正後、ハザード比を算出した。
 その結果、234万730人・年の追跡期間中、719件のRA発症が確認された。RAの発症率(10万人・年当たり)は累積アルコール消費量ごとにみると、0g/日群で34、<5g/日群で29、5~9g/日群で25、10~19g/日群で35、≧20/日g群で34だった。他の潜在交絡因子で補正後では、1日に5g未満のアルコールを摂取する女性は、全く飲まない女性に比べてRA発症リスクが22%軽減されることが分かった(P=0.022)。また、1日に5~9gのアルコールを摂取する女性は35%までリスクが軽減された(P=0.001)。ただし、1日当たり10g以上のアルコール消費の場合は、RA発症に対して保護効果はなかった。
 Bing Lu氏らは、「今回の長期前向きコホート研究によって、軽度(アルコール含有量が1~9g/日)のアルコール摂取にはRA発症リスクを軽減する保護効果があるとの証拠が得られた」と結論した。また、「10g/日より多いアルコール摂取の場合には、保護効果がないことも明らかになった」と指摘した。
 会場からは、アルコール摂取がRA発症リスクを軽減する機序についての質問が出されたが、Lu氏は「今後の研究課題だ」と回答した。

25.Cardiac cells 'heal heart damage'
BBC News2011年11月14日

Stem cells taken from a patient's own heart have, for the first time, been used to repair damaged heart tissue, researchers claim.
The study, published in the Lancet, was designed to test the procedure's safety, but also reported improvements in the heart's ability to pump blood.
The authors said the findings were "very encouraging"
Other experts said techniques with bone marrow stem cells were more advanced and that bigger trials were needed.
The scientists say this is the first reported case of cardiac stem cells being used as a treatment in people after earlier studies had shown benefits in animals.
Improvement
The preliminary trial was on patients with heart failure who were having heart bypass surgery. During the operation, a piece of heart tissue, from the right atrial appendage, was taken.
While the patient was being sewn up, researchers isolated cardiac stem cells from the sample and cultured them until they had about two million stem cells for each patient. The cells were injected about 100 days later.
Doctors measured how efficiently the heart was pumping using the left ventricle ejection fraction - what percentage of blood was leaving one of the heart's main chamber with every beat.
In the 14 patients given the treatment, the percentage increased from 30.3% at the beginning of the trial, to 38.5% after four months.
There was no change in the ejection fraction in the seven patients who were not injected with stem cells.
Dr Roberto Bolli, one of the researchers from the University of Louisville, told the BBC: "We believe these finding are very significant.
"Our results indicate that cardiac stem cells can markedly improve the contractile function of the heart."
Heart v bone
The heart is not the only source of potentially useful stem cells. Trials have already taken place using stems cells from bone marrow.
Prof Anthony Mathur, from Barts and the London School of Medicine and Dentistry, and Prof John Martin, from University College London, are already conducting large randomised clinical trials.
They are investigating the effect of giving patients stem cells from their own bone marrow, in NHS hospitals, within six hours of a heart attack.
Prof Mathur said of the cardiac stem cell study: "Caveats very much apply. It's a phase one trial so while the early results are great and promising, they need to design a big study to see if the results translate."
He also cautioned that improvements in ejection fraction were not the same as increasing survival or quality of life.
Prof Martin said he was "concerned" that the seven patients in the control group showed no improvement in ejection fraction, which would normally be expected, and that they were not given a sham treatment to account for the placebo effect.
He said that was acceptable when just testing a procedure's safety, but not when looking at effectiveness, which relies on the difference between the treated and control groups.
Prof Peter Weissberg, medical director at the British Heart Foundation, argued that the improvement in heart function was similar to those in other studies.
"This is positive, but the crucial next steps are to see whether this improvement is confirmed in the final completed trial, and to understand whether the cells are actually replacing damaged heart cells or are secreting molecules that are helping to heal the heart," he added.
Dr Bolli argues that stem cells from the heart might be more useful as "their natural function is to replace the cells that continuously die in the heart due to wear and tear".
He hopes to start the next phase of clinical trials in 2012.

26.Study links Parkinson's disease to industrial solvent
BBC News2011年11月14日

An international study has linked an industrial solvent to Parkinson's disease.
Researchers found a six-fold increase in the risk of developing Parkinson's in individuals exposed in the workplace to trichloroethylene (TCE).
Although many uses for TCE have been banned around the world, the chemical is still used as a degreasing agent.
The research was based on analysis of 99 pairs of twins selected from US data records.
Parkinson's can result in limb tremors, slowed movement and speech impairment, but the exact cause of the disease is still unknown, and there is no cure.
Research to date suggests a mix of genetic and environmental factors may be responsible. A link has previously been made with pesticide use.
'Significant association'
The researchers from institutes in the US, Canada, Germany and Argentina, wanted to examine the impact of solvent exposure - specifically six solvents including TCE.
They looked at 99 sets of twins, one twin with Parkinson's, the other without.
Because twins are genetically very similar or identical and often share certain lifestyle characteristics, twins were thought to provide a better control group, reducing the likelihood of spurious results.
The twins were interviewed to build up a work history and calculate likely exposure to solvents. They were also asked about hobbies.
The findings are presented as the first study to report a "significant association" between TCE exposure and Parkinson's and suggest exposure to the solvent was likely to result in a six-fold increase in the chances of developing the disease.
The study also adjudged exposure to two other solvents, perchloroethylene (PERC) and carbon tetrachloride (CCl4), "tended towards significant risk of developing the disease".
No statistical link was found with the other three solvents examined in the study - toluene, xylene and n-hexane.
"Our study confirms that common environmental contaminants may increase the risk of developing Parkinson's, which has considerable public health implications," said Dr Samuel Goldman of The Parkinson's Institute in Sunnyvale, California, who co-led the study published in the journal Annals of Neurology.
He added: "Our findings, as well as prior case reports, suggest a lag time of up to 40 years between TCE exposure and onset of Parkinson's, providing a critical window of opportunity to potentially slow the disease before clinical symptoms appear."
Water contaminant
TCE has been used in paints, glue, carpet cleaners, dry-cleaning solutions and as a degreaser. It has been banned in the food and pharmaceutical industries in most regions of the world since the 1970s, due to concerns over its toxicity.
In 1997, the US authorities banned its use as an anaesthetic, skin disinfectant, grain fumigant and coffee decaffeinating agent, but it is still used as a degreasing agent for metal parts.
A computer image of affected neurons in the brain of Parkinson's patients
Groundwater contamination by TCE is widespread, with studies estimating up to 30% of US drinking water supplies are contaminated with TCE. In Europe, it was reclassified in 2001 as a "category 2" carcinogen, although it is still used in industrial applications.
PERC, like TCE, is used as a dry-cleaning agent and degreasing agent, and is found in many household products. CCl4's major historical use was in the manufacture of chlorofluorocarbons for use as refrigerants, but it has also been used a fumigant to kill insects in grain.
Commenting on the paper, Dr Michelle Gardner, Research Development Manager at Parkinson's UK, said: "This is the first study to show that the solvent TCE may be associated with an increased risk of developing Parkinson's.
"It is important to highlight that many of the previous uses of this solvent have been discontinued for safety reasons over 30 years ago and that safety and protection in work places where strong chemicals such as this solvent are used has greatly improved in recent years."
She also called for more research to confirm the link between TCE and other solvents with Parkinson's.
"Further larger-scale studies on populations with more defined exposures are needed to confirm the link," she said.

27.Breast Cancer Chemo Tied to Memory Troubles
Study adds credibility for women who report symptoms of 'chemo brain,' experts say
HealthDay News2011年11月14日


Researchers have homed in on which parts of the brain seem to be involved in "chemo brain," the memory problems and other impairments that often accompany chemotherapy treatments for breast cancer.
According to research in the November issue of the Archives of Neurology, those areas of the brain that are involved in planning, attention and memory performance were less robust in breast cancer patients who had undergone chemotherapy than in breast cancer patients who had not had chemotherapy or in healthy women who acted as study controls.
The findings are important not only to find ways to manage this side effect, but also to give credibility to women who report these effects and aren't taken seriously, said the authors of the report and another expert.
"There's been a controversy whether it's the disease itself or hormonal blockade medications or chemotherapy," said study lead author Shelli Kesler.
"A lot of women complain of problems but then perform in the normal range on subjective tests," explained Michelle Janelsins, a research assistant professor of radiation oncology at the James P. Wilmot Cancer Center at the University of Rochester Medical Center, in Rochester, N.Y.
"This is going to give us more information about what exactly is going on so that we can develop better management approaches," said Janelsins, who was not involved with the study.
According to the study authors, chemo brain is the most commonly reported neurological and cognitive problem among breast cancer patients who have received chemotherapy for their condition.
Janelsins said that much research has been devoted to chemo brain but, as of yet, few ways to actually alleviate it.
The researchers compared results from functional magnetic resonance imaging (fMRI) done on 25 women with breast cancer who had received chemotherapy, 19 women with breast cancer who had not undergone chemotherapy, and 18 healthy women.
The women performed a card-sorting task designed to measure problem-solving skills and also reported their own perception of their cognitive abilities.
Women with breast cancer, whether or not they had had chemotherapy, showed reduced activity in two areas of the prefrontal cortex, including one heavily involved in memory, the investigators found.
"The non-chemo group did show some brain changes but their actual performance of cognitive tasks was not impaired," said Kesler, who is an assistant professor of psychiatry and behavioral sciences at Stanford University School of Medicine. "For women who had chemo, their deficit, their brain change is more severe to the point where they are showing actual performance impairment on cognitive tests."
The group that had undergone chemotherapy also had reduced activity in the prefrontal cortex and tended to repeat errors and complete tasks more slowly compared to both other groups.
This reduced activity also correlated with how patients viewed their own abilities.
The worse the disease and the worse the women perceived their own functioning, the lower the activity.
"The pattern of brain activation actually matched up with self-report," said Janelsins. "That's important because a lot of times self-report measures aren't matching up with performance on some cognitive tests. We need better markers and indicators and tests telling us which women may be having difficulty."
Women who were older and had less education also had more executive-function problems.
There are several hypotheses as to why chemotherapy might cause these problems. One is that chemotherapy is toxic to neurological stem cells; another is that chemotherapy increases the amount of inflammation in the body, which then gets into the brain, and chemotherapy also causes DNA damage.
Hormonal therapies can also affect cognitive function and although the authors took this into account, individual variations in estrogen levels may have influenced the results, the authors noted.
"People sometimes think women are exaggerating [chemo brain] but this study showed that self-reported impairment actually correlates with brain impairment pointing to the fact that they should not be ignored," Kesler said.
Although the new study showed an association between brain function and chemotherapy, it did not prove a cause-and-effect relationship.
More Information
The American Cancer Society has more on chemo brain.
SOURCES: Shelli Kesler, Ph.D., assistant professor of psychiatry and behavioral sciences, Stanford University School of Medicine, Calif.; Michelle Janelsins, Ph.D., research assistant professor of radiation oncology, James P. Wilmot Cancer Center, University of Rochester Medical Center, Rochester, N.Y.; November 2011, Archives of Neurology

28.Warfarin May Need Less Monitoring for Some
12-week intervals likely OK for those with stable doses of blood thinner, study finds
HealthDay News2011年11月14日

Most people taking the blood-thinner warfarin need blood tests every four weeks to make sure they're receiving the right dose of medication, but new research suggests that some people could safely have those tests done just once every 12 weeks.
Longer intervals between monitoring isn't an option for everyone on warfarin, just those who have received the same dose of medication for six months or longer, noted the study, published in the Nov. 15 issue of the Annals of Internal Medicine.
"Sometimes it's difficult to go every four weeks, and we found that for patients who are very stable who have been monitored every four weeks, going every 12 weeks was not different in dosing," said the study's lead author, Dr. Sam Schulman, a professor of medicine and director of the clinical thromboembolism program at McMaster University in Hamilton, Ontario.
"Since there are 2 million patients in North America on warfarin, it could add quite a bit of cost savings if they could go longer [between tests]," said Schulman.
Warfarin (brand names Coumadin, Jantoven) thins the blood, and it's prescribed to help prevent blood clots. Blood clots can cause heart attacks and strokes. If too little warfarin is given, the blood isn't thinned enough and blood clots can form. But too much warfarin can thin the blood excessively, making internal bleeding a risk.
Once the right dose is found, some people remain stable on that dose indefinitely. For others, constant changes are needed to their warfarin dose. Schulman said that about one-third of his patients have stable doses.
The test that's done every four weeks to monitor a patient's warfarin dose is called international normalized ratio (INR) monitoring.
The current study included 250 people who were receiving unchanged warfarin doses for at least six months. They were randomly assigned to one of two groups: one that received INR monitoring every four weeks or one that was monitored every 12 weeks.
The researchers found that people who were monitored every four weeks had an optimal dose of warfarin 74.1 percent of the time, compared with 71.6 percent for the group monitored every 12 weeks.
"Assessment of warfarin dose every 12 weeks seems to be safe and non-inferior to assessment every four weeks," wrote the study's authors.
"This study contributes a bit to answering the question of how often you have to test, but there was no information on [blood clots] and bleeding events," noted Dr. Jeffrey Berger, an assistant professor and director of cardiovascular thrombosis at New York University Langone Medical Center in New York City. But he added that complications such as blood clots and bleeding are rare events, and to properly assess the risk of these complications with longer monitoring, a much larger trial would be necessary.
He also said, "I think this is a very important study in the current horizon where we have an increasing number of potential alternatives to Coumadin. It's important to understand the tradeoffs between drugs."
The U.S. Food and Drug Administration has approved two alternatives to warfarin: dabigatran etexilate (Pradaxa) and rivaroxaban (Xarelto). And Berger said that another drug, apixaban (Eliquis), will likely be approved soon.
The newer medications don't require monitoring of the dosage, but they are significantly more expensive than warfarin. In Canada and the United States, warfarin costs about 10 cents per day, while Schulman said that a newer medication can be as much as $3.60 a day.
Still, Berger pointed out that without the cost of monthly monitoring, the newer drugs may end up being more cost-effective.
More information
Learn more about warfarin from the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Sam Schulman, M.D., professor, medicine, and director, clinical thromboembolism program, McMaster University, Hamilton, Ontario, Canada; Jeffrey S. Berger, M.D., assistant professor and director, cardiovascular thrombosis, New York University Langone Medical Center, New York City; Nov. 15, 2011, Annals of Internal Medicine

29.Drinking Risky for Women With Family History of Breast Cancer: Study
Risk of breast disease rose with alcohol consumption
HealthDay News2011年11月14日

Drinking alcohol may be especially risky for young women who have a strong family history of breast cancer, including having mothers, grandmothers or aunts with the disease, a new study suggests.
Researchers from Washington University School of Medicine in St. Louis examined data on more than 9,000 girls, all daughters of nurses, from 1996 (when they were aged 9 to 15) through 2007.
They focused on 67 participants who were later diagnosed between the ages of 18 and 27 with benign breast disease, a large class of conditions that can cause breast lumps or pain and can be a risk factor for breast cancer.
The researchers found that women who have a family history of breast cancer or breast disease were about twice as likely to develop both benign breast disease and breast cancer than women with no family history of the disease.
Risk of benign breast disease rose along with how much alcohol the young women consumed, according to the study.
In young women with no family history of breast disease, alcohol consumption wasn't associated with an increased chance of benign breast disease.
The study is published in the Nov. 14 online issue of the journal Cancer.
It's possible that young women who are especially prone to develop breast cancer can reduce their risk of benign breast disease by avoiding alcohol, researchers said in a university news release.
"The most common question we hear from women with a family history of breast disease is: 'How can we prevent breast cancer in our daughters?'" said senior study author Dr. Graham Coldtiz, a professor of surgery. "This points to a strategy to lower risk -- or avoid increasing risk -- by limiting alcohol intake."
But Dr. Anees Chagpar, director of The Breast Center at Smilow Cancer Hospital at Yale-New Haven, questioned the findings, noting that the number of participants diagnosed with benign breast disease is small and the lack of required biopsies makes it hard to know whether many other women in the study also had the condition.
"Benign breast disease is a spectrum of changes -- from simple cysts and fibrocystic change, which do not significantly increase one's risk of developing breast cancer, all the way to atypical ductal hyperplasia and lobular carcinoma in situ, which -- while not pre-malignant nor frankly cancerous -- impose a significant increased risk," Chagpar said.
"Many women have fibrocystic change which we've come to realize is really quite ubiquitous and part of the spectrum of 'normal,'" she said. "Patients with such simple cysts should be reassured, and while vigilance in terms of screening is always advisable, they also need to know that this does not increase their risk of cancer."
In the big picture, however, "we know that alcohol increases breast cancer risk," she said. The question, she said, is whether it does that by increasing the risk of benign breast disease.
"I do think at-risk individuals should exercise moderation in their alcohol consumption, since excessive alcohol is known to increase one's risk of breast cancer," she said.
A study in the Nov. 2 issue of the Journal of the American Medical Association found that as few as three alcoholic drinks a month was associated with a slightly increased risk of breast cancer.
In that study, which looked at data on 106,000 women, women who drank the equivalent of three to six glasses of wine were 15 percent more likely to develop breast cancer than women who never or rarely drank. Women who consumed much more alcohol -- about two glasses of wine or the equivalent beer/liquor a day -- had a 51 percent increased chance of being diagnosed with breast cancer during nearly three decades of follow-up.
More information
For more on benign breast disease, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Anees Chagpar, M.D., M.P.H., director, The Breast Center at Smilow Cancer Hospital at Yale-New Haven, and associate professor, department of surgery, Yale School of Medicine, New Haven, Conn.; Nov. 14, 2011, Washington University School of Medicine news release.

30.Stem Cells Show Promise in Healing Damaged Hearts
3 studies show cells sourced from bone marrow or the heart itself may help after heart attack
HealthDay News2011年11月14日

Efforts to use stem cells to help revitalize hearts damaged by heart attack got a boost from three studies presented Monday at the annual meeting of the American Heart Association.
Cardiologists attending the Orlando, Fla.-based conference heard how infusing bone marrow stem cells into the heart soon after a heart attack might improve survival, and how cardiac stem cells might also come to the aid of patients battling heart failure.
Doctors have recently been using bone marrow-sourced stem cells to repair the damage done to cardiac tissue by heart attack. And two new studies presented at the meeting may help define the "window of opportunity" during which this therapy is likely to save lives.
Infusing these cells into the heart several days after a heart attack is safe and provides benefits that last up to five years, one study found. However, waiting 10 to 20 days after a heart attack to inject the cells back into the heart is too long, the second trial concluded.
In the first study, German researchers led by Dr. David Leistner of the University Hospital of Frankfurt found fewer deaths, fewer subsequent heart attacks and fewer procedures needed to open blocked arteries in people who received bone marrow stem cells within a few days of a heart attack. Earlier studies had shown that this experimental treatment improved heart muscle function for up to four months after a heart attack, but the new study, involving 62 patients, showed that these benefits last for up to 5 years.
One expert was pleased with the results.
"This is a big deal," said Dr. Joshua M. Hare, the director of the Interdisciplinary Stem Cell Institute at the University of Miami Miller School of Medicine. "There is a lot of controversy in the field about how much heart function actually improves after this treatment," he said. "Many experts argue that although published results were statistically significant, that they might not have been clinically meaningful. The thing that matters the most is whether or not there was a reduction in [death], and this study shows that there might be."
However, another study presented at the meeting found that waiting 10 to 20 days after a heart attack to infuse bone marrow stem cells may be too long. The findings will also appear in the Nov. 14 online edition of the Journal of the American Medical Association.
The study involved 87 patients who had undergone angioplasty and/or placement of an artery-opening stent after heart attack. The researchers injected stem cells into the patients' hearts about two to three weeks after a heart attack -- only to find that therapy did not improve heart function after six months.
"When you have such a brand new treatment, negative data can be just as helpful as positive data," said Hare, who also wrote a JAMA editorial that accompanied the study . The take-home message, according to Hare: "This is too late to give the cells to the heart."
Study co-author Dr. Robert Simari, a cardiologist at the Mayo Clinic in Rochester, Minn., agreed. "We are modifying our prior enthusiasm for bone marrow stem cells and developing some framework for their use," he explained.
Stem cells sourced from bone marrow are not the only type being studied in this way, however. A third study looked at the use of stem cells originating from the patient's own heart.
The results of a phase 1 (early) clinical trial presented at the AHA meeting, published simultaneously in The Lancet, found real benefit from cardiac stem cell infusions for heart failure patients who had suffered a heart attack. This is the first time this approach has been tested in humans, the team said.
In the Stem Cell Infusion in Patients with Ischemic Cardiomyopathy (SCIPIO) study, researchers retrieved cardiac cells from individuals who were undergoing bypass surgery to re-open blocked arteries. The cells were taken from undamaged areas of the heart, purified, harvested and then injected back into the patients' hearts four months later.
And it worked. Dr. Roberto Bolli of the University of Louisville and colleagues report that the therapy improved heart function for 16 people with heart failure who received an infusion of their own cardiac stem cells. What's more, the scars on their hearts are healing, the study showed.
"This is more promising in terms of the magnitude of the effect than what we are seeing with bone marrow stem cells," said one expert, Dr. Kenneth B. Margulies, a professor of medicine at the Hospital of the University of Pennsylvania in Philadelphia.
Still, he cautioned that the research is in its infancy, and more studies are needed. Right now, this procedure is for patients who are in the throes of a heart attack, he noted. "We are getting more bang for the effort when this is not done in the middle of crisis," he said.
While more study is needed to understand the best ways to use the different types of stem cells after a heart attack, they will both likely have a big role in preventing or reversing damage after a heart attack in the future, Simari said.
"In the next 10 to 15 years, these stem cells will be an off-the-shelf sell. We won't need to harvest them and can take them off the shelf and deliver them at that time or soon thereafter," he said. He conjectured that one healthy donor could provide thousands of doses.
More information
There's more on heart attack at the American Heart Association.
SOURCES: Joshua M. Hare, M.D., director, the Interdisciplinary Stem Cell Institute, University of Miami Miller School of Medicine; Kenneth B. Margulies, M.D., professor, medicine, Hospital of the University of Pennsylvania, Philadelphia; Robert Simari, M.D., cardiologist, Mayo Clinic, Rochester, Minn.; Nov. 14, 2011, The Lancet, online; Nov. 14, 2011, Journal of the American Medical Association, online; presentations, Nov. 14, 2011, American Heart Association annual meeting, Orlando, Fla.

31.Low-Income Seniors at Greater Risk for Heart Failure
These Medicare recipients may not be able to afford out-of-pocket medical expenses, researchers say
HealthDay News2011年11月14日

Seniors with low incomes are more likely to develop heart failure than those with higher incomes, even if they have Medicare coverage and are college-educated, a new study finds.
"As far as the risk of developing heart failure is concerned, lower education may not matter if a person is able to maintain a high income in later years," said senior researcher Dr. Ali Ahmed, in an American Heart Association news release.
The researchers examined records of 5,153 Medicare-eligible seniors living independently without heart failure in the early 1990s, and grouped them based on their level of education and income. Those with low education did not go to college, and those with low incomes lived on less than $25,000 a year.
Thirteen years later, 18 percent of the seniors with a high level of education and high income had developed heart failure. Similarly, 17 percent of the older adults with low education but high income developed heart failure, according to the release.
On the other hand, 23 percent of seniors with low income developed heart failure regardless of their education. Patients with low education and low income however, were at the greatest risk, with 29 percent developing heart failure.
The researchers accounted for known heart disease risk factors in their findings, slated for presentation Monday at the American Heart Association's annual meeting in Orlando, Fla.
Low-income patients may not be able to afford the out-of-pocket costs associated with their Medicare coverage, the researchers suggested.
"They may have to choose between their drugs and their groceries. Or the out-of-pocket expenses might adversely affect how often they go see their doctor," explained Ahmed, who is director of the Geriatric Heart Failure Clinics at the University of Alabama at Birmingham and the Birmingham VA Medical Center.
Income also affects people's access to healthy foods and safe, affordable places to exercise. The researchers concluded that older people need low-cost ways to stay healthy and eat right. They said more research is need to identify the specific reasons why people with low incomes are at greater risk for heart failure.
Because this study was presented at a medical meeting, the data and conclusions should be viewed as preliminary until published in a peer-reviewed journal.
More information
The American Heart Association provides more information on disparities in heart disease.
SOURCE: American Heart Association, news release, Nov. 14, 2011

32.Shot Might One Day Help Lower Cholesterol
In early trial, it lowered LDL levels by up to 64 percent
HealthDay News2011年11月14日


Preliminary research suggests that a single injection of a man-made protein might lower levels of "bad" cholesterol.
Given in the abdomen, AMG145 reduced low-density lipoprotein (LDL) cholesterol levels among a group of healthy volunteers. The shot turned off a newly identified cholesterol regulator, PCSK9, which interferes with the liver's ability to clear bad cholesterol from the bloodstream.
The findings were presented Monday at the American Heart Association (AHA) annual meeting in Orlando, Fla. The study was funded by AMG145 manufacturer Amgen Inc.
High cholesterol is a major risk factor for heart disease. The first step toward lowering cholesterol is typically lifestyle changes, which include eating a low-fat diet and regular physical activity. For some, medications such as statins must be added to get cholesterol levels where they ought to be. Even this is not enough to get everyone's numbers into the safety zone, and not everyone can tolerate currently available medications. An LDL of less than 100 mg/dL of blood is considered optimal.
Study author Clapton Dias, medical sciences director of clinical pharmacology and early development at Amgen, in Thousand Oaks, Calif., said this shot could be given as an add-on to current cholesterol-lowering therapies for people who are not getting as low as they should be or as a standalone treatment for people who can't tolerate existing lipid-lowering drugs.
"Cardiovascular disease is the number one cause of death in the U.S., and while statins are very effective, a good proportion of people are not meeting their goals, and in this setting the shot could be a valuable addition," he said.
The study included 54 men and two women aged 18 to 45 who did not have elevated cholesterol levels. Participants received one of five doses of the new drug delivered via shot or intravenously or a placebo. Researchers measured LDL cholesterol levels for 85 to 113 days after treatment.
The new drug did hit its target, PCSK9, and decreased levels of LDL cholesterol by up to 64 percent. There were also decreases seen in levels of total cholesterol and apo-B (tiny fat particles in the blood that also increase the risk for heart disease). Levels of triglycerides and "good" HDL cholesterol were not altered by the medication, and there were no serious side effects reported. Now, researchers are testing the new shot in people who have high cholesterol.
Cardiologists were cautiously optimistic about the novel therapy.
Former AHA President Dr. Ralph Sacco said that it is too early to make any predictions about what role, if any, this therapy will have in lowering cholesterol levels, but it could one day fill an important void.
"Even though statins are so effective at lowering cholesterol and reducing risk for heart disease and stroke, they do need to be taken every day and they can have certain side effects in some people," he said. Statin side effects can include liver damage and/or muscle pain.
"This new shot may provide a more long-lasting approach, especially if it could be given once a month," Sacco said.
Dr. Dan Rader, director of preventive cardiology at the University of Pennsylvania, said that PCSK9 is "the hottest target for new treatments to lower LDL cholesterol." And these study results will probably fuel that fire, he added.
"A 60-plus percent reduction in LDL with a single dose of this antibody is impressive," he said. "It is the early days, but the data look strong. We now need more data with people who have repeated dosing and are followed for longer periods of time," Rader added.
"There are still plenty of people who can't achieve adequate LDL levels with existing drugs, including statins," he noted. Plus, "people may find it easier to get a shot every two weeks or monthly than to take a pill every day."
Research presented at meetings should be considered preliminary until published in a peer-reviewed medical journal.
More information
Learn about existing treatments for high cholesterol at the American Heart Association.
SOURCES: Clapton Dias, Ph.D., medical sciences director of clinical pharmacology and early development, Amgen Inc., Thousand Oaks, Calif.; Ralph Sacco, M.D., chairman, neurology, University of Miami Miller School of Medicine, and past president, American Heart Association; Dan Rader, M.D., director, preventive cardiology, University of Pennsylvania, Philadelphia; Nov. 14, 2011, presentation, American Heart Association annual meeting, Orlando, Fla.

33.Experimental Drug for Irregular Heart Rhythm Raises Death Risk: Study
Dronedarone trial cut short after excess of deaths in patients with permanent form of atrial fibrillation
HealthDay News2011年11月14日

A once-promising drug for a common and dangerous form of irregular heart rhythm actually seems to raise the odds for patient death, a new study finds.
The drug, dronedarone, had seemed effective against the non-chronic, "intermittent" form of atrial fibrillation in prior trials. But in the newer trial -- involving patients with ongoing, "permanent" atrial fibrillation -- use of dronedarone was tied to a doubling of the patients' death risk. The trial was cancelled early due to concerns over the drug's safety.
Atrial fibrillation is a heart rhythm disorder affecting about 2.7 million Americans that often occurs with age and can raise risks for stroke. In people with intermittent atrial fibrillation, the heart may return to normal rhythm on its own. But it does not do so in people with the more permanent form, who usually receive medications to control their heart rate.
One expert said the new study provides valuable guidance to doctors and patients.
"Rather than being a failure (which it is for the drug), this study is a 'win' for the cardiology community, in that it has tested and shown that this agent should not be used in such a fashion," said Dr. Stephen Green, associate chairman of the department of cardiology at North Shore University Hospital in Manhasset, N.Y.
The study was slated for presentation Monday at the annual meeting of the American Heart Association in Orlando, Fla. It is also being published simultaneously in the New England Journal of Medicine.
Dronedarone is currently used to treat intermittent atrial fibrillation but is not approved for treatment of the permanent form of the condition. This study was designed to investigate if dronedarone would benefit patients 65 and older with permanent atrial fibrillation, but it was halted after enrolling only 30 percent of the intended 10,800 patients.
Compared to those taking a placebo, patients who took dronedarone were 2.2 times more likely to suffer a major vascular event such as stroke, heart attack, systemic blood clot or cardiovascular death, the researchers found.
There were 21 cardiovascular deaths in the dronedarone group and 10 in the placebo (control) group; 13 deaths linked to arrhythmias (heart rhythm disorders) in the dronedarone group and four in the control group; and 23 strokes in the drug group versus 10 in the control group.
The researchers also found that dronedarone increased the risk of hospitalization for heart failure and that the nearly one-third of patients in the dronedarone group who had been taking the heart rhythm drug digitalis had a 36 percent rise in their digitalis blood levels.
That suggests that an "increase in digitalis played a causative role in the increased risk of cardiovascular death," lead author Dr. Stuart J. Connolly, a professor of cardiology at McMaster University in Hamilton, Canada, said in an American Heart Association news release. "But this does not explain the increase in stroke or heart failure," he added.
Still, "the message is that the drug dronedarone should not be used for permanent atrial fibrillation," Connolly said.
Green agreed. "The pertinent points are: Antiarrhythmic agents have traditionally had a difficult risk/benefit ratio, and large-scale studies are useful to choose the correct patient for the correct drug," and, "it is important to trial agents for non-FDA-approved indications, rather than use them indiscriminately," he explained.
More information
The U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute has more about atrial fibrillation.
SOURCES: Stephen Green, M.D., associate chairman, department of cardiology, North Shore University Hospital, Manhasset, N.Y.; Nov. 14, 2011, New England Journal of Medicine, online; American Heart Association, news release, Nov. 14, 2011

34.プレスリリース

1) Delayed stem cell therapy following heart attack is safe but not effective

2) Wood stove intervention can reduce childhood pneumonia

3) Intensive therapy halves kidney disease in type 1 diabetes

4) NIH-funded twin study finds occupational chemical exposure may be linked to Parkinson's risk

5) バイオトロニックがパクリタキセル放出バルーンPantera Luxの好成績を発表

6) BIOTRONIK Announces Six-Month Coronary Stenting ENERGY Registry Results Presented at TCT 2011



These are our most popular posts:

脳梗塞の予防と治療・隠れ脳梗塞・T-PA・血栓溶解療法・無症候性脳 ...

前触れと言われる、「一過性の脳虚血発作」を見逃さず、適切な検査と治療により致命的 な脳梗塞の発生を防止する事が重要である ... なると言われているのできっちりとした 管理が必要。100万人近いとされる心房細動患者の40-50%が全く治療を受けていない のが実情 ... このような症状は一過性脳虚血発作(TIA)や一過性の血圧低下による 意識消失の際に起きることがあるが、一過性脳虚血 ..... た血管に細いカテーテルを通し 、先端から形状記憶合金で出来たワイヤを出し血栓を絡め取って取り除く新治療法が 登場した。 read more

医薬品情報21 » 2007 » 8月 » 17

2007年8月17日 ... 含有成分として0.1-0.3%のhypericin、特に pseudohypericin、isohypericin、 protohypericin等のようなhypericin類似物質。 ... 含有食品の薬物代謝 酵素誘導 により影響を受ける可能性があることから、医薬品を服用する際にはSt.JohnsWort. ..... と類似していたとしても不思議はないが、現実には青酸の匂いを確認していないので、 参照文献の記載通りということである。 ...... ぼくはサンプルを取って分析してもらったの です」 [アガサ・クリスティー:ヘラクレスの冒険-クレタ島の雄牛-(高橋豊・訳); ... read more

内科開業医のお勉強日記:Quack

元の物質は水にほとんど残っていないが、実践する人たちは「水が記憶している」と主張 している。 欧米やインドで盛ん ... Significant interactions with the most commonly used herbal and non-herbal supplements impact warfarin safety and efficacy. .... そういえば、カイワレのO157ってどうなったんだろう。裁判に ... だが、この裁判の影響 のためか、日本では葉性野菜の大腸菌感染可能性が報道されることがなくなった。 今回の .... だが、業者は逆手をとって、厚労省から特定製品を推奨されているように ミスリード。 read more

Womens Health

しかし医療という点になると、女性に影響を及ぼす心臓病特有な点を、専門家達は 見落とし過ぎているようです。 ... 最近の研究結果では、赤ぶどうのエキスとニンニクの 入った魚油が循環器系に良い事が解っています。 .... 例えば、たばこの煙を吸い込ま ない、お酒を飲まない、酸化防止栄養補助製品で補いながら、健康的な食事をすること。 ... その中で専門家の見方が一致する点はどの様なことでしょうか? ..... 大変小さな組織 であるにも拘わらず、男性が歳を取っていく段階で、時に大変な不快感を生む事が あります。 read more

0 件のコメント:

コメントを投稿