与太話その13
Medical Dosimetrist
米国の放射線治療は完全分業制となっています。診察・治療方針決定、治療範囲・回数・総線量などは放射線腫瘍医が行います。そして、その治療予定にあわせて、まず活躍するのがMedical Dosimetristです。放射線量計算士とでも言いましょうか?これに対応する職種は日本には存在しません。施設によって、腫瘍医が治療計画装置に向かう場合もありますし、治療技師、もしくは医学物理士が計画する場合もあります。
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コンピュータに基づく線量計算が主流となる前は、線量計算は体表から腫瘍の中心部、もしくは身体の厚みの中間部までの距離を実測して手計算がなされていました。これは放射線計測の原理から当然な操作ではあるのですが、人体の構造は空気があったり、骨があったり、均一ではありません。また、CTでなければ場所の特定が出来ない臓器の治療なども行われるようになって、CTのデータに基づいて線量計算がなされるようになったのです。それも昔は単純な手法での計算だったのですが、どんどん実際の放射線の体内動向を反映するような複雑な計算が可能になってきて、正常部の被曝を抑え、腫瘍部に放射線を集中させるという動きになってきたのです。
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放射線を腫瘍に集中させ、正常部の被曝を抑えるという放射線治療の流れが出来始めたとき、治療計画の作業は膨大となってきました。ちょうど、IMRTという概念が米国で実際の形になってきた頃ですか?その頃すでに3DCRTをさかんに行っていたMSKCCなどの施設も出てましたから、当該施設では、危険臓器と言われる被曝を軽減すべき臓器の輪郭をとったり、各種数値的な比較検討など、とてつもなく業務が増加したのです。そして、Medical Dosimetristという職種が生まれたのです。AAMDという組織が出来たのも1990年代だと思います。
放射線治療計画は、機種や計算アルゴリズムの発達と、治療手法の変化などと、Medical Dosimetristの手腕との追いかけっこだと思います。そして、それに米国のDosimetristたちが追いついているかと言えば、そういった理論的なものは医学物理の世界という感じで、理解している人は案外少ないです。それに比べて、日本の治療担当技師の多くは、勉強会や講習会などにも積極的に参加し、時代の変遷についてきている先生が多いです。(だからこそ、IMRTの未成熟な部分を分かっているからこそ、治療可能な機種は導入されても安易にIMRTを実施しなかったわけです)
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ところが、いろんな学会に参加しても、線量計算・治療計画に関して突っ込んだ議論がなされる場面が少なすぎると私は思っています。こういった議論は、本来、治療範囲や治療方法を選択する放射線腫瘍医と、実際に計画する人、そして治療計画装置に基づいて線量の検証をし、実際に治療する治療技師が合同で議論しない事には話にならないはずなのです。でも、日本では少なくとも全国大会レベルでは、どの学会でも本質的な議論はなされてません。(高精度放射線外部照射研究会が、ある種、その役を果たしているかもしれませんが、本来議論すべき対向二門などの通常照射の線量分布計算などに関しては議論はされてません)
私は、日本にdosimetristという職種を新たに作る必要があるのか分かりませんが、少なくとも、治療計画に絞った議論をきちんと行う場が必要だと思います。さしあたってJASTROなどの下部機関としてという考えもありますし、医学物理学会が主導してということも考えられます。技術学会、技師会などが主導でもいいのかもしれません。しかし、いずれにせよ、各領域が密接に絡み合った領域であり、当然ながら、現場だけでなく、治療計画装置メーカー、放射線治療機器メーカー、検証用装置のメーカーなど企業の学術関係の人が参画しなければ、まともな議論にもなりません。
正直言いまして、私はすでにかなりの学会の学会員であり、学会参加だけでなく、そもそも学会費だけでもしゃれにならないくらいの出費があります。ですから、これ以上、学会や研究会が増えるのは勘弁して欲しいというのが本音です(苦笑)。ですが、治療計画そのものの研究会・学会などは、他の何を差し置いてでも、立ち上げるべき時期だとは感じています。
ただ、私はこういったことには非常に疎い人間ですので、誰かなんとかして〜!という気持ちではいます。もし、JAMD(Japanese Association of Medical Dosimetrists)、もしくはJMEDD(こちらは対応する略語が検索されなかったので・・)などというものが出来たなら、なんぼでもAAMDとの連携には協力できると思います。米国には仲間がたくさんいますから・・・・。
与太話その14へ続く
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